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3.4 広告その他情報源の影響度について

 携帯電話の新機種の情報を知るには広告やカタログ・記事など様々なものがある。それがどのようにユーザーに利用されているのかを「始めて(現在使用中の機種を)知った情報源」「購入決定の際に影響した情報源(いくつ答えても可)」「最も影響した情報源」と3段階に分けて調査した。

※「友人知人」=知り合い(家族を含む)との話題で知る
          購入のための相談にのってもらう

 全体的に利用度が高いのは「カタログ」と「販売店の見本品や店員(のオススメ・アドバイス)」である。特に、「見本品や店員」は回答者の半数以上が携帯電話購入決定に影響したと答えている。これは、購入前に見本品で使い心地を確かめるためだと思われる。(全体の約半数が「使いやすさ」を購入時重要視している。⇒図3-12)カタログは簡単に手に入りやすく他の機種と性能やデザインを比較することが出来る一般的なものなので当然の位置だと考える。

 ただ、ここで注目しておきたいのは「始めて知った情報源」の問いでもカタログが36%で一番多いこと、 日常にあふれている「広告・CM」は約17%にとどまっていることである。
 「広告・CM」は、マスメディアを通して最も頻繁に目にすることが出来る情報源であるにも関わらず数値は思いのほか伸びない。特に「最も影響した情報源」では約6%と数値はかなり落ちている。「広告・CM」はインパクトを売りにしているため影響力は間々あるが購入を決め付ける力は乏しいということだ。
 逆に、「友人知人」の数値の多さも目に留めておきたい。友人知人の情報とは「口コミ情報」と考えても過言ではない。マスメディアの情報よりも口コミ情報の方が購入決定の力は大きいということになる。

 ここで、ロジャーズの普及論を頭に入れて考えてみよう。構成人数の多さから言うと

初期多数採用者・後期多数採用者 > オピニオンリーダー > イノベーター

となる。

表3−7.ロジャーズの普及論を踏まえた携帯電話ユーザーの購入傾向

イノベーター
(流行に敏感な学生)

広告・CM→カタログや見本品などで使いやすさを確かめる→購入決定 ⇒最新機種を購入

オピニオンリーダー
(流行に敏感な学生)

イノベーターと経緯はあまり変わらないが、家族友人などに自分が買った(買う)最新機種の存在を広める ⇒口コミ発信者

初期多数採用者
後期多数採用者
(一般の学生)

広告・CM→友人知人(オピニオンリーダー)からの口コミ→友人知人との相談→購入決定 ⇒口コミ受信者口コミだけではなく様々な情報に触れることが出来る。

 それは広告・CMから情報を得るイノベーターよりもオピニオンリーダーなど友人・知人から情報を得たり相談に乗ってもらっていたりして購入に繋がることの方が多いということになる。
 誰もが触れているはずの広告・CMの購入決定率の伸びが悪いことにより

「マスメディアは情報を提供するもの、口コミは決定を助言するもの」

と位置付けることができるだろう。

 

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