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2.2 ストリーミング配信の利便性

(1)ストリーミング配信利用頻度と利用した理由
 

 まず、「ストリーミング配信を利用した理由は何ですか」という設問をおき、ストリーミング配信を利用したきっかけについて、複数回答にして調査した。その結果を、図2-2-1に示す。

 なお、「面白そうだった」、「コンテンツに魅力を感じた」、「見たいコンテンツがあった」、「いつでも見られる」、「友人・知人が利用していた」、「家族が利用していた」、「無料という言葉に惹かれた」、「ブロードバンドにした」、「便利そうだった」、「情報収集のため」、「購買目的のためのレコード試聴」、「暇つぶし」、「インターネット広告を見て利用してみようと思った」、「その他」の選択肢の内、4人以上回答者がいたもののみ、図に表すこととする。


 グラフより、「見たいコンテンツがあった」が58.3%で半数以上を占め、多くの人が、あらかじめ目的を持って利用したことがわかる。

 また、「面白そうだった」や「コンテンツに魅力を感じた」と答えた人も多いことから、ストリーミング配信自体やそのコンテンツに興味を持って利用した人の割合も高いと言える。

 一方、「ブロードバンドにした」や「暇つぶし」と答えた人は比較的少なく、接続状況の変化や、なんとなくという理由で利用した人の割合は低いようである。
 
 

 次に、「ストリーミング配信を利用した理由」によって、「利用頻度」も変わってくるのではないかと思い、これら2つのクロス集計を試みた。

 なお、ストリーミング配信利用頻度においては、「めったに利用しない」を含む
「一日に数回・一日に1回・週に数回・週に1回」→「週に1回以上」
「月に数回・月に1回」→「月に1〜数回」
の3グループに再定義した。

 また、ストリーミング配信を利用した理由においては、5人以上回答者がいたもののみ、図に表すこととする。その結果を、図2-2-2に示す。

 

 グラフより、「面白そうだった」や「コンテンツに魅力を感じた」、「いつでも見られる」など、ストリーミング配信に興味・関心を持って利用した人は、日頃からストリーミング配信をよく利用していることがわかる。

 特に、「いつでも見られる」と答えた人は、全員が「週に1回以上」ストリーミング配信を利用し、習慣化していることを示している。

 それに対して、たまたま「見たいコンテンツがあった」り、「情報収集のため」に利用する人は、「月に1〜数回」で、利用頻度が低いことがわかる。

 以上のことより、やはり利用した理由によって、利用頻度も変わってくると言うことができる。
 

(2)閲覧したことのあるコンテンツと閲覧してみたいコンテンツ
 
 「ストリーミング配信でどのようなコンテンツを閲覧したことがありますか」という設問をおき、どのようなコンテンツに人気があるのか、複数回答にして調査した。

 同じように、「閲覧したことのあるコンテンツ以外で、今後閲覧してみたいコンテンツはありますか」という設問をおき、こちらも複数回答にして調査した。

 なお、「映画の予告」、「ドラマの予告」、「ゲームの予告」、「アニメの予告」、「ショートムービー」、「テレビアニメ」、「インターネットドラマ」、「テレビCM」、「楽曲試聴」、「ライブ映像」、「プロモーションビデオ」、「イベントの映像」、「グラビアアイドルの映像」、「ニュース」、「ダンス・演劇」、「スポーツの試合」、「講義、授業、セミナー」、「就職関連」、「インターネットラジオ」、「インターネットテレビ」、「インタビュー、メッセージ」、「記者会見」、「その他」、「テレビドラマ」、「長編映画」、「お笑い」、「特になし」の選択肢の内、10人以上回答者がいたもののみ、図に表すこととする。その結果を、図2-2-3に示す。


 

 グラフより、「楽曲試聴」や「プロモーションビデオ」、「映画の予告」といったように、セールスプロモーション的なコンテンツの人気が高いことがわかる。

 また、図2-1-5からもわかるように、「テレビCM」などの短時間もの、「(芸能人などの)インタビュー、メッセージ」や「インターネットラジオ」など、ストリーミング配信ならではのコンテンツにも人気があるようだ。

 今後閲覧してみたいコンテンツにおいては、「ショートムービー」や「ライブ映像」など、同じ音楽、映画関連でも、今までのセールスプロモーション的なものとは違い、独自的なコンテンツの要望が強いという結果が得られた。

 また、閲覧したことのあるコンテンツでは質問していない、「長編映画」や「テレビドラマ」、「お笑い」など、今現在は流されていないコンテンツの人気も高いことがわかった。

 以上のことから、今後は映画、音楽はもちろん、テレビドラマやお笑い番組など、独自の存在価値を持つメディアとしての役割を担うことが、期待できる。


(3)ストリーミング配信利用頻度と閲覧コンテンツ
 

 「ストリーミング配信利用頻度」によって、「閲覧したことのあるコンテンツ」も変わってくるのではないかと思い、これら2つのクロス集計を行った。

 なお、ストリーミング配信利用頻度においては、図2-1-4同様、3グループに再定義したものとする。

 また、閲覧したことのあるコンテンツにおいても、10人以上回答者がいたもののみ、図に表すこととする。その結果を、図2-2-4に示す。

 

 グラフより、「週に1回以上」ストリーミング配信を利用する人においては、「映画の予告」と「楽曲試聴」の人気が高いことがわかる。

 特に「映画の予告」は定期的に情報が更新され、関心者の利用頻度を増加させていると考えられる。

 以上の結果は、常日頃から情報収集の手段として、ストリーミング配信を利用しているからであるという見方が強い。

 一方、「月に1〜数回」のグループにおいては、他者に比べ、「インタビュー、メッセージ」と「ライブ映像」の人気が高い。これは、あらかじめ目的を持って利用している人が多いからだと思われる。

 「めったに利用しない」グループにおいては、全体的に大きな差はないが、「楽曲試聴」の人気は抜きん出て高い。このことは、たまたま関心を持った曲の公開が、利用の源泉となっていること示している。
 
 以上のことより、やはり利用頻度によって、閲覧したことのあるコンテンツも変わってくると言える。
 
 
 

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