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2.3 ストリーミング配信の広告機能

(1)ストリーミング配信の利用とCD購入傾向
 

 まず、「ストリーミング配信で偶然閲覧、試聴した音楽情報がきっかけとなって興味を持ち、CDを購入したことはありますか」という設問をおき、ストリーミング配信が、楽曲に興味を持つきっかけ、CDを購入した要因の一つになるのかを、調査した。結果は図2-3-1のとおりである。

 「興味を持った経験はない」が43.1%で最も多いが、「購入する時は毎回」、「購入する時の半分程度は」、「時々」と答えた人も、あわせて21%いた。

 また、「興味を持ったことはあるが購入しなかった」と答えた人も36.1%いることから、ストリーミング配信が、今現在気になっている楽曲に興味を持ったきっかけの一つにはなっているようである。
 
 

 次に、「ストリーミング配信利用頻度」によって、「ストリーミング配信によるCD購入傾向、及び楽曲に興味を持った」頻度が変わってくるのではないかと思い、これら2つのクロス集計を試みた。その結果を、図2-3-2に示す。

 なお、ストリーミング配信利用頻度においては、図2-1-4同様、3グループに再定義したものとする。
 

 グラフより、ストリーミング配信の利用頻度が高いほど、ストリーミング配信によるCD購入、及び、今現在気になっている楽曲に興味を持った人が多いことがわかる。

 以上のことより、ストリーミング配信に触れる機会が多いほど購入を促進し、購入まではいかない場合でも、関心を喚起させるうえで、効果的に作用していると言える。


(2)ストリーミング配信の利用と映画鑑賞傾向
 

 まず、「ストリーミング配信で偶然閲覧した映画情報がきっかけとなって興味を持ち、映画を観に行ったことはありますか」という設問をおき、ストリーミング配信が、劇場公開作品に興味を持つきっかけ、劇場に足を運んだ要因の一つになるのかを、調査した。結果は図2-3-3のとおりである。

 「興味を持った経験はない」が51.4%で最も多いが、「観に行く時の半分程度は」、「時々」と答えた人も、あわせて約15%いた。

 また、「興味を持ったことはあるが観に行かなかった」と答えた人も33.3%いることから、ストリーミング配信が、今現在気になっている作品に興味を持ったきっかけの一つには、なっているようである。
 
 

 次に、「ストリーミング配信利用頻度」によって、「ストリーミング配信による映画鑑賞傾向、及び劇場公開作品に興味を持った」頻度が変わってくるのではないかと思い、これら2つのクロス集計を試みた。その結果を、図2-3-4に示す。

 なお、ストリーミング配信利用頻度においては、図2-1-4同様、3グループに再定義したものとする。
 

 グラフより、ストリーミング配信の利用頻度が高いほど、ストリーミング配信による映画鑑賞、及び、今現在気になっている作品に興味を持った人が多いことがわかる。

 このように見てくると、ストリーミング配信に触れる機会が多いほど、劇場での鑑賞を促進する傾向を持つことがわかる。
 

(3)インターネット限定CMの認知度と満足度
 
 ストリーミング配信利用経験者を対象に、「一部の製菓、飲料、自動車メーカーが、テレビCMとは別に、インターネット限定のオリジナルショートムービーやインターネットドラマを配信していることを知っていますか」という設問をおき、インターネット限定CMの認知度と利用度を調査した。結果は図2-3-5のとおりである。

 
 「知っているが閲覧したことはない」が43.1%で最も多く、次いで「知らない」の31.9%だった。「実際に閲覧したことがある」と答えた人も25.0%いることから、インターネット限定CMの認知度は、かなり高いことがわかる。
 
 

 次に、「実際に閲覧したことがある」と答えた18人を対象に、「これらのサービス(コンテンツ)についてどう思いましたか」という設問をおき、回答してもらった。結果は図2-3-6のとおりである。


  グラフより、「やや面白い」と答えた人が61.1%で最も多く、「面白い」と答えた人も11.1%いたことから、全体としては面白いと思った人が多いことがわかる。

  以上のことより、無料で「やや面白い」という評価が、視聴を成立させている要因であると言えるだろう。
 
 
 
 

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