(1)閲覧コンテンツにみるストリーミング配信満足度
まず、「現段階でのストリーミング配信サービスに満足していますか」という設問をおき、ストリーミング配信の満足度について調査した。結果は図2-4-1のとおりである。
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「やや満足」と「どちらともいえない」と答えた人が、それぞれ34.7%で最も多く、全体としては、満足もしていなければこれと言って不満でもないという結果となった。しかし、「やや不満」や「不満」と答えた人も少なくないことから、改善が必要であると言えそうだ。
次に、「閲覧したことのあるコンテンツ」によって、「満足度」も変わってくるのではないかと思い、これら2つのクロス集計を行った。結果は図2-4-2のとおりである。
なお、閲覧したことのあるコンテンツにおいては、10人以上回答者がいたもののみ、図に表すこととする。
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グラフを大きく見ると、「ショートムービー」から左では、3グループ間に大きい差があるものの、「ライブ映像」から右では、3グループ間には顕著な差が現れていない。したがって、左側の差が、満足度と関係があることが推測される。この点で見ると、満足層は「楽曲試聴」、「映画の予告」、「テレビCM」を多く見ており、これらが満足の源泉と考えられる。
中間層は、とくにどれが高いという傾向はなく、問題意識は見えにくい。
一方、不満層は「プロモーションビデオ」と「楽曲試聴」を多く見ており、これらが不満の原因である可能性がある。この点では関心が持たれるが、より詳しい分析は、今後の課題である。
(2)利用理由にみるストリーミング配信満足度
「ストリーミング配信を利用した理由」によって、「満足度」も変わってくるのではないかと思い、これら2つのクロス集計を試みた。なお、ストリーミング配信満足度においては、
「満足・やや満足」→「満足層」
「どちらともいえない」→「中間層」
「やや不満・不満」→「不満層」
の3グループに再定義した。また、ストリーミング配信を利用した理由においては、5人以上回答者がいたもののみ、図に表すこととする。その結果を、図2-4-3に示す。
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グラフより、全体としては同じような分布をしているが、「無料という言葉に惹かれた」と「暇つぶし」では、不満グループが多いのが目立つ。このような、問題意識が曖昧な利用理由では、利用満足度が言いにくいことは理解できる。
しかし、その他の理由では注目すべき差が見えないため、ストリーミング配信に対する利用者の満足度は、必ずしも利用理由と一致してはいないようである。