ごあいさつ
1895年12月28日、世界で初めての動く写真・シネマトグラフ=映画がパリで公開されました。20世紀は「映像の世紀」と言われますが、これは映像史の出発点が20世紀の歴史の始まりとほぼ重なり、映像は20世紀を通して唯一かつ最大の表象メディアとして存在し続け、時代の様々な様相を映し出してきたからに他ならなりません。同時に映画をはじめ、テレビ、そして映像による表現は、ドラマ、ドキュメンタリー、さらにメディアアートなどアートしての映像まで、様々な形態に派生しました。そして、メディアとしての映像は、テレビや映画といったマスメディアはもちろん、Webを経由したソーシャルメディアでも活用され、さらに、ライブ・ビューイングや街角の広告等、さまざまな領域に広がっています。
これまで、ビジネスとしての映像コンテンツ制作は、映画やテレビが独占的に行ってきましたが、近年は、Netflix、Amazonプライム・ビデオなどのインターネットによる動画配信サービス、さらにYouTube等には個人も参入し、映像メディアは、テレビ、映画、インターネット配信が競合し、連携する時代を迎えています。
竹林紀雄研究室は、映像という概念を広く捉え、テレビ、映画、インターネット配信を通観し、さらに8K等の超高精細映像が可能にする展開を視野に入れて、これを新たな映像メディアとしてとらえ、この特性を踏まえて表現のセオリーを再考し、メディア環境の進化が拓く映像表現の可能性を探求しています。
竹林紀雄
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