研究指導者

教授

浅野 信彦

指導領域

 学校において授業を実践し、子どもの学びを創造する主体は個々の教師である。この基本的な事実に立脚し、カリキュラム研究、授業研究、教師教育研究の3つを柱として研究を進めている。初等中等教育の教育実践にかかわるテーマは幅広く受け入れ可能であるが、教科教育学に収まらない視点(例えば「探究的な学び」「教科横断的な学び」「教科をこえた授業研究の方法」など)にこだわりをもっている学生を歓迎する。

指導方法

 カリキュラム・マネジメントとアクティブ・ラーニングが教育改革のキーワードになっている。学校で子ども自身が「学ぶことの意味」を見いだせるような教育実践への転換が求められているのである。優れた実践を歴史的に積み上げてきた学校には、カリキュラム・マネジメントやアクティブ・ラーニングという言葉は用いられておらずとも、それに相当する取り組みが存在する。まずは多くの学校の優れた実践を観察し、その奥行きや広がりを体感するところから、徐々に問題意識を明確にし、研究論文につなげていく。

教授

石井 智恵美

指導領域

 家庭科および家庭科教育の中の「食物」全般を指導領域とする。食物の学習で第一に考えなければならないことは「安全と衛生」であるので、このことを常に指導の中心に置きながら、子ども達の主体的な取り組みを導き出せる方法を考えていきたい。

指導方法

 家庭科は「衣」、「食」、「住」および「家族」の生活を総合的に学習することが要求される教科であるので、自身のテーマやその周辺の先行研究を丁寧に収集・理解することや、他の領域とのかかわり方の可能性や内容の表現の仕方等の検討を経て、独自の結論を導き出せるよう指導する。また、実験・実習に関しては、新たな教材開発も視野に入れる。

教授

出井 雅彦

指導領域

 理科教育の中でも生物領域に関わる教材の研究、開発を指導する。生物領域は鞄囲も広く多種多様な生物が研究対象となるが、研究設備などの関係で私の専門領域(藻類や植物)に近い生物を研究対象として指導する。

指導方法

 子供達の自然観や科学的思考を育むためのより良い教材の開発を目指す。そのためには自身の科学的思考力を磨かなければならない。探求の過程を通して研究の方法や思考力を身に付けながら、テーマに沿って実験観察を繰り返し、何かを発見できるような指導をする。

教授

伊藤 裕康

指導領域

 特に、社会科及び地理教育に関する内容を中心に指導します。しかしながら、研究分野は社会系教科教育(社会科、地歴科、生活科、道徳)ですので、受講生の関心や学びの必要性に応じて幅広く指導していきたいと思います(例えば、社会科と生活科との接続のあり方、生活科における地理教育、地理科地理と社会科地理の違い、社会科における道徳等々)。

指導方法

 教育実践者は、学習指導要領にあるからとか、教科書にあるからというのでなく、「子どもが、なぜ、それを、今、学ぶのか」を考えることが大切だと思っています。そこで、受講生の関心や学びの必要性に応じて幅広く指導はしていきますが、その指導の核には、先の問いに絶えずこたえていくことを据えるよう心がけていきます。

メッセージ

 研究的な実践者になっていただきたいと思います。研究的な実践者への道は、まずは、「巨人の肩に乗る」ことだと考えています。「巨人の肩に乗る」ことができるための支援は惜しみません。

教授

小野里 美帆

指導領域

 特に、特別支援教育、臨床発達心理学、発達心理学に関わる領域を指導する。具体的には、@発達研究(言語・コミュニケーション発達、社会性、心の理論等の社会的認知、親子関係等)、Aアセスメントや支援プログラムの開発(言語・コミュニケーション発達を中心に)、B支援研究(事例研究/コンサルテーション、教師や学校全体に対する包括的アプローチ、教師の変容、家庭支援/特別支援学級支援者養成プログラム開発等)が主軸となる。支援となる障害は、発達障害、知的障害が中心である。

指導方法

 原則として学生の興味・関心を起点とし、研究デザインを考えるところから始める。日本、海外の文献購読を通して先行研究を概観し、研究動向を理解し、研究のオリジナリティーを明確にする。方法論は、発達心理学、臨床発達心理学(含む、発達支援)の観点に基づき、事例研究、調査・実験研究など、テーマに沿って選択する。研究フィールドは、保育所、幼稚園、小・中学校、特別支援学級、通級指導教室、特別支援学校、療育施設、放課後デイサービス、家庭、親の会等がある。論文作成を通して、現場において自身の問題意識を基に、主観を廃して現状を分析的、客観的かつ俯瞰的に捉えられる力や、論理的に考え、言語化する力、具体的な支援に結び付ける力をつけることを目標とする。

教授

小幡 肇

指導領域

 木下竹次の『自律的学習法』は、『自己を拡張する』ことによって『社会の拡張』が実現するといった個人的教育である。そのため、『自ら機会を求め、自ら刺激を与え、自ら目的と方法を定め、社会に依拠して社会的自我の向上と社会文化の創造を図る』学習生活の必要を説いた。それは、子ども自身が、学習に際して『予備・修得・応用』と作用する三段階を一人で歩む『独自学習』に取り組み、それを団体で歩む『相互学習』へと進み、さらに『独自学習』に進む学習生活である。そのような学習生活を、今日の学校現場にいかに具現化していくかを共に研究していきたい。

指導方法

 まず、木下竹次著『学習原論』及び今日も『自律的学習法』を実践している奈良女子大学附属小学校機関誌『学習研究』をもとに理論研究を行うと同時に、当該校での実践の様子(出版物・録画)及び当該校の教師や子どもへのインタビュー等をもとに『自律的学習法』を解明する。次に、生活科・総合的な学習において、『自律的学習法』に基づく学習生活を具現化する方策を検討し、これからの教育に向けて受講生自身のもつ授業観及び授業づくりの改善案を提案できるようにする。

教授

甲斐 雄一郎

指導領域

 小学校から高等学校にいたるまで教育課程に位置付けられた国語科について、その教育目標、教育内容、そして教育方法など、国語教育全般について対応する。国語科は義務教育においては1900年に成立し今日に至るまで存続している。その間の教育課程の動向における国語科の機能に着目し、その普遍性と今日的な課題を明らかにし、その構図を理解するとともに今日的な課題解決への参加の手がかりを獲得する。

指導方法

 現在の国語教育をめぐる諸問題は、それぞれ新たな意匠をまといつつも、しばしば過去に同様の例を見出すことができる。この、時を隔てた類同性ともいうべき事象に着目して問題の構造を理解し解決の手がかりを得るために、主として歴史的アプローチをとりつつ、先人たちの取り組みから実践理論を抽出するとともに、現在そうした課題に取り組んでいる教員の挑戦にも学びつつ、これからの国語科の学習指導のあり方を自ら考えられるようにする。

教授

金森 強

指導領域

 調音音声学の理論に基づいた英語音声学研究、第二言語習得理論および外国語教授法についての研究、日本や海外の外国語教育政策研究、現場の実態に応じた現職教員研修、教員養成、教材開発(検定教科書、ICT・デジタル教材開発等)について指導する。

指導方法

 文献研究に偏ることなく、実際の教室における指導と結びつけながら考察をし、可能であれば、教育現場での実践を通して、実際に起こっている課題に対して、いかに対応すべきであるかを探るAction Researchの手法を用いた研究・教育を進めていく。院生が研究・調査等をスムーズに実施できるよう、これまで作ってきた教育委員会や学校、海外の教育・研究機関等とのコネクションを活用していきたい。

教授

久保村 里正

指導領域

 基礎造形、ビジュアルデザイン、造形教育など。

指導方法

 主とする研究領域は上記の通りだが、美術の領域に関わるものであれば、相談の上で検討をする。研究指導は、学生の興味・関心を元に、先行研究などを調査しながら、大学院の研究テーマとして適切であるかで判断をする。研究にはオリジナリティを求められるが、先行研究などをふるまえるなどの客観性が重要である。
研究に客観性を持たせるためには、研究に対する意欲や発想だけではなく、資料を読みこなす学力と倫理的な思考法が必要である。学会で様々な研究にふれたり、自らの研究を発信し、それらを高めることが望ましい。

准教授

桑原 千明

指導領域

 主に発達心理学、臨床心理学に関わる領域を指導する。特に、乳児期・児童期における子どもの社会的行動の発達に関する研究、幼児期・児童期における仲間関係の発達に関する研究、幼児期・児童期の子どもをもつ親および親子関係に関する研究などが中心となり、子どもや家族のための支援に活用できる研究を目指す。

指導方法

 本研究指導においては、これまでの生活や学びの中で生じた疑問点を解消したり、これからの自分を助ける知識や方法を生み出したりすることが大きな目標となる。研究においては、はじめに受講生の興味のあるテーマを探し、先行研究を概観する。その先行研究の概観に基づいて研究計画を立案・実行し、分析・考察して論文としてまとめる。本研究指導ではこの一連の流れを指導する。なお、具体的な研究手法として質問紙法、観察法、面接法、実験法のいずれかの手法を用い、心理統計の理論と技法を用いて分析を行う。受講生の興味によっては、研究対象を児童生徒とすることや、現場への介入(プログラム作成や効果検討など)をテーマとすることも考えられる。

准教授

近藤 真子

指導領域

 音楽科教育学、子ども学、教育心理学の領域を指導する。音楽を通しての創造力、表現力、人間力の育成。特に日本の音楽教育で現在重要課題である創作学習をはじめ、社会的構成主義の学習理論に基づくアクティブな授業づくりと授業分析などの研究分野を重視する。また、「みえない学力」「音楽的思考」「エージェンシー」「アイデンティティ」の研究分野について、未来を生きる子ども等に求められる資質・能力・音楽教育の世界的動向などを踏まえて、理論・研究・実践の3分野を統合する視座に立って指導する。

指導方法

 各自の研究テーマに関しては、国内外から文献等による理論研究はもとより、事例研究や実践研究等を通して、個々の専門的資質・能力の実践指導能力を高めると共に、研究者、実践者としての自律的成長を支援し、理論と実践の統一をめざす研究指導に取り組む。

准教授

佐藤 晋平

指導領域

 教育の背後にある社会的関係(社会学)・政治的関係(政治学)。また特に、紛争(訴訟など)として噴出した「教育問題」の解決(救済)に関する考察(教育法の社会学)。

指導方法

 「教育問題」と言われるものの多くは、現代の社会的・政治的諸関係に由来する。よってこれを理解し分析するために、教育学以外にも社会学、政治学などの理論に関する文献、思想に関する文献を講読する。また、必要に応じてインタビューを中心とする質的調査の方法についても、実践しながら研究していく。

教授

白石 和夫

指導領域

 数学教育。特に、近未来を生きる人のための算数・数学科の指導内容の変革について。
算数・数学をいかなるものとして子供たちに理解させ、数学に対する理解を深め、どのような技能を習得させていくべきであるかを研究する。

指導方法

 上記の目的を実現するためには、数学それ自体の理解に加え、数学が利用される数理科学諸領域、あるいは、諸外国における数学教育、過去の数学教育に対する考察なども有効な手段となる。

教授

橋 克己

指導領域

 特別活動・生徒指導等に対して社会学的なアプローチをとる領域を担当。学校社会学(特に学級社会学)を専門とする。学級経営をめぐる理論史や国際比較、「学級崩壊」等の教育問題等について指導可能。

指導方法

 各研究テーマに沿った基本文献の購読、および必要に応じ調査を計画。実践的な研究を念頭におきつつ、理論をしっかり学ぶよう、マクロとミクロの往復という視点を重視したい。

教授

手嶋 將博

指導領域

 教育制度学、比較・国際教育学、国際理解教育。日本の教育制度・政策上の諸課題の研究、東南アジアを中心とした諸外国の教育制度・政策との比較研究(国際学力問題、教員養成・研修、言語・外国語教育、シティズンシップ教育等)、国際理解教育の教材開発・授業分析研究。

指導方法

 国内外の文献の検討をベースに理論研究を行い、その理論研究から得た知見を実証的にするための授業分析、およびフィールドワーク(現地調査)の手法を用いて指導。
なお、海外の地域研究あるいは日本との比較研究等を希望する場合、対象国の現地語、または英語での文献読解および面接・質問紙等による調査が可能な程度の語学力が必要。

教授

土肥 麻佐子

指導領域

 家庭科教育の中で主として被服分野を研究指導領域とする。家庭科教育では生活の中からの課題設定→解決方法→実践→評価・改善→表現のプロセスを指導することが求められている。これを実現するためには、授業実践と共に、学修効果を可視化して客観的に学習成果を評価する手法の開発が必要である。被服関連分野を題材に家庭科教育におけるアクティブラーニング型教育の方法論についても研究対象とする。

指導方法

 家庭科は人の生活をキーに人文科学、自然科学の要素をもつ総合科学的な科目である。ここでは自然科学的な視点より、人間工学、感性工学分野の手法を用いた指導を行う。生活情報を共有するためのツールとしてICTの利用も視野にいれた指導とする。

教授

豊泉 清浩

指導領域

 教育哲学、西洋教育史、道徳教育に関する領域を指導する。道徳教育に関しては、特に道徳科の理論と指導方法について指導する。

指導方法

 道徳教育は、人間としての生き方を形成することを目的としている。道徳科の指導は、単に知識や技術の面だけではなく、教師の生き方や人間理解が基盤となる。したがって、自己の生き方を深く探求するための根拠となる教育哲学ないし教育哲学的思考について考察する。また、道徳的価値への理解を基に、読み物資料や説話による道徳の授業を構想し、伝記による教材の開発も視野に入れ、道徳科の指導方法について研究する。

教授

永田 潤一郎

指導領域

 算数・数学教育。特に教育課程に関する内容を中心とする。

指導方法

 研究を進める過程では、文献等を通じて論理的に考察することがもちろん重要であるが、それだけに偏ることがないよう、実践との関連、すなわち学校現場における教師の指導及び子どもの学びの改善との実質的な結びつきを重視しながら探求を深めていく。そのため、例えば、各学校や地域で行われている研究会や全国的な発表会などに積極的に参加して、実際に指導にあたる教師の問題意識や取組から学ぶとともに、自らの研究の成果を発信することを重視して指導する。

教授

中本 敬子

指導領域

 認知心理学、教育心理学

指導方法

 本研究指導では、主として認知心理学・学習科学的な切り口から教育場面での教授・学習過程を取り扱う。そのために、まず学生の興味・関心に合わせて、認知心理学、教育心理学、学習科学関連の先行研究を網羅し、最近の研究動向を探る。実際の研究手法は、実験、質問紙調査、発話データや自由記述の分析などの心理学的手法を用いるため、これらの手法に慣れていない場合には、調査・統計法演習を受講することが望ましい。主要な研究課題として、教授・学習過程における比喩や類推の役割の解明、授業や協同学習における談話構造の分析、教師による評価の視点の分析などが考えられる。

教授

成田 奈緒子

指導領域

 生活習慣、学力低下、不登校や心理疾患の増加、そして発達障害など、子どもをめぐる問題には枚挙に暇がなく、今や教育、保育、医学や福祉が独立していては解決が不可能な時代になっている。こういった問題の根本の理解や解決への糸口への仮説をたて、実際に臨床症例の検討、医学的な身体データ測定、画像を用いた脳科学的機能測定法、保育所や学校、保健所をフィールドとする発達調査など様々な手法を利用して論理的に検証を行い、新しい知見を求めていく、それにより、単に教育に携わるだけではなく、様々な分野との連携をもちながら、子どもの環境改善のために社会へ提言を行ってゆける専門家の育成を目指す。

教授

船山 智代

指導領域

 理科教育のうち、化学領域の物理化学分野を基盤にして指導する。自然科学の事象の「定量化」が指導におけるキーワードである。

指導方法

 指導方法は、まず教員が大テーマを提示する。学生は、テーマに関連した課題を設定し、自然科学の基本的なアプローチ方法、1)モデル(仮説)の構築、2)実験、3)実験結果に基づくモデルの妥当性の検証・評価に基づき、課題の答えを導き出し、自然の本質に迫る。

その他

 指導目標は、自然科学の基礎的な素養として、科学的思考力、論理構成能力、および自然科学に対する深い理解を兼ね備えた理科教員の育成を目指している。実験設備と私の専門の関係から、研究指導が可能な内容はある程度限られている為、希望者は出願前に必ず船山まで問い合わせをすること。

教授

八藤後 忠夫

指導領域

 テーマは学校教育に関することのうち、特に「児童・生徒の心身の健康問題」「教員の健康問題」「学校体育の現状と課題」「地域と子ども」「家族の機能と子どもの社会化」等をあつかう。

指導方法

 各テーマの先行研究(文献レビュー)はもちろんであるが、加えて「問題の設定と研究の枠組み」を重要視する。量的・質的研究のどちらも受け付けるが実験的な研究は受け付けない。主に量的調査になると思われるが、精度の低いいわゆる「アンケート調査」は避けたい。事前の基礎統計学的な学習が必須である。

教授

山縣 朋彦

指導領域

 天文学、特に観測データの取得とデータ処理、統計処理による銀河系・銀河の構造進化に関してのモデル解析をめざす。扱うデータとしては、可視光・赤外線による観測と各種アーカイブデータを想定している。アーカイブデータ利用では、多くの場合、膨大なデータを効率よく扱うことが求められているのでその処理に関しては、コンピューターによる統計的手法が欠かせない。従って、プログラミングやスクリプトの知識も必要となる。

教授

六本木 健志

指導領域

 社会科・地歴科教育のうち歴史教育に関する内容を中心に指導する。歴史教育で児童生徒たちに育成すべき力、現代を生きる私たちが歴史をどのように読み直していくかという作業を通じて、社会を多元的な視野でとらえる力を養いながら、社会科・地歴科を学び、教えることの根本的な意義について追究する研究指導を行う。

指導方法

 歴史を単一のものさしではなく、様々な自然条件や社会条件のもとで形成された文化の総体(地域性)として理解する。その研究方法として、身のまわりの個別事象を通して、人間社会全体のあり方を見通す力を児童生徒に育成するための授業開発を研究する。具体的には、地域の歴史や地理に関する調査方法を習得する。これは歴史教育や地理教育において、身近な地域の教材化・地域学習の教材開発と関連する。歴史の授業開発を活字となった文献や史資料のみならず、民俗学・地理学・社会学的な方法をも用いて総合的に追究していく。