臨床心理学について

  • 臨床心理学とはどのような学問ですか?
    臨床心理学は、私たちの生活と社会で生じている心の諸問題のメカニズムを解き明かし、実践的な解決策を検討する学問です。

  • 臨床心理学科との心理学科の違いはなんですか?
    心理学科では、主に人間のしくみについて学び、その知識をベースにして、よりよい人間の生活を目指します。臨床心理学科では、人間のしくみはもちろん、人が、どのようなプロセスでバランスを崩すのか、そこからバランスを取り戻すにはどうしたらよいのか、バランスを崩さないためにはどのような生活が役に立つのか、人の癒し、成長を促進するためにはどうしたらよいのかということを学びます。まとめると、ケアすることを学ぶのが、臨床心理学科ということができるでしょう。

  • 精神医学と臨床心理学では、こころの病を抱えた人に対して、アプローチの仕方はどう違うのですか?
    精神医学も臨床心理学も、悩みを抱えている人を援助する仕事であり、両者が協力することも多いのですが、アプローチの仕方は大きく異なります。精神医学の場合、現れている症状の背後に脳の病気があることを想定し、画像診断や血液検査などを重視し、治療も薬物療法が中心となります。臨床心理学の場合、診断や治療にあたっては対話を何より重視し、心理検査を活用することもあります。悩める人そのものと深く関わっていくのが臨床心理学の立場であると言えるでしょう。
  • 認知症や統合失調症など、脳の病気とされるものに対して臨床心理学は役に立たないのでしょうか?
    役に立たないということはありません。臨床心理学は悩みを抱える人に寄り添う技術を教えてくれるものです。また、病気は患者さん本人だけでなく、家族にとっても負担の大きいものです。臨床心理学は、家族を支える視点や技法を提供してくれます。質問にあるような病気で精神科医から治療を受けながら、本人や家族がそれとは別にカウンセリングを受けている方もいます。


  • 公認心理師やカウンセラーについて

  • 公認心理師とはどんな資格ですか?
    「心理」という言葉のついた初めての国家資格です。公認心理師になるためには、学部で必要な科目を履修した後、さらに公認心理師対応の大学院で必要な科目を履修し、大学院修了後に国家試験を受験し合格する必要があります。

  • 公認心理師と臨床心理士の違いは何ですか?
    公認心理師は国家資格ですが、臨床心理士は財団法人日本臨床心理士資格認定協会という民間の団体が認定する民間資格です。公認心理師は学部で必要な科目を履修した後、さらに公認心理師対応の大学院で必要な科目を履修し、大学院修了後に国家試験を受験し合格する必要がありますが、臨床心理士では学部は関係なく、臨床心理士対応の大学院で必要な科目を履修すれば受験資格が得られます。

  • カウンセラーになるために、どんな勉強が必要ですか?
    ひろく心理学について学ぶことがまず基本です。それから、社会や文化のこと、教育のことについて学ぶことも必要でしょう。人の心の知識をもち、人と関わることを専門にし、社会で生きる人間を理解することが必要になります。それらに役立つ勉強は、なんでもしてみようという好奇心があるとよいでしょう。

  • カウンセラーに適した性格はありますか、どんな人がカウンセラーに向いていますか?
    以下のような人がカウンセラーに向いているといえるでしょう。
    ・人間に興味があること
    ・相手に意見を押し付けないこと
    ・自分自身を見つめることができること
    ・自分が話すよりも、人の話を聴くことが大切だと思えること


  • 卒業後の進路について

  • 臨床心理学を活かした職場には、どんなところがあるのですか?
    スクールカウンセラー、教育相談所、病院などの医療機関、企業の社員相談室、などがあげられます。これらの職場では、多くの場合公認心理師という資格が必要とされます。公認心理師の資格を取得するためには、大学で公認心理師になるために必要な科目を履修し卒業すること、卒業後に認定された大学院修士課程を卒業し、国家試験に合格する必要があります。

  • 公認心理師になった場合に、どんな仕事に就けますか?
    心理学の専門家としてたくさんの仕事が用意されていますよ。ほんの一例ですが、市や区の教育相談所の教育相談員や発達支援教育指導員など、精神病院や精神科クリニックのカウンセラー、心理療法士、デイケア指導員など、労災病院のメンタルヘルス・チェック専門スタッフ、一般企業の産業カウンセラーなどなど盛りだくさんです。このほか、公務員になって心理に関係する仕事をする人もいます。

  • 先生になりたいのですが、臨床心理学科で学ぶ意味・意義はありますか?
    先生にとって大切な、よりよい人間関係、人がどのように成長していくか、どのように関わると、人を援助できるのかということを学ぶことができます。先生として生徒に接し、生徒の成長を手助けするために、とても役に立つといえるでしょう。

  • 大学院に進学しなくても臨床心理学を活かした職業はありますか?
    また、企業に就職したいのですが、臨床心理学を学ぶ意味・意義はありますか?

    臨床心理学は、人がよりよく生きるためにはどうしたらいいか、人のこころは、どんなふうにバランスを崩し、どういうことでバランスを取り戻すのか、人が快適に感じるような対人関係はどういうものか、ということを学びます。ですから、人と関わる仕事ならば、どのような仕事でも学んだことをいかせます。


  • 大学院への進学について

  • 臨床心理学科を卒業後、何名ぐらい大学院に合格・進学していますか?
    また、進学後、公認心理師は取得できますか?

    大学院進学の希望者数は年によって変動がありますが、卒業生のおよそ20%が進学しています。2020年度は16名、2021年度も16名が進学しました。文教大学大学院、跡見学園女子大学大学院、昭和女子大学大学院、目白大学大学院などが主な進学先です。公認心理師を取得するためには、大学で必要な科目を履修し卒業すること、その後、認定された大学院修士課程を卒業し国家試験に合格する必要がありますが、文教大学大学院の公認心理師資格の新卒者合格率は100%を達成しています(2021年度)。

  • 大学院に進学するために役立つような勉強が臨床心理学科でできるのですか?
    はい、できます。幅広い心理学の知識と英語の学習が大学院進学には必要です。これらの学習が効率よくできるようなカリキュラムを、臨床心理学科では提供しています。また、文教大学大学院の大学院生による「英語で心理学を学ぶ会」など、大学院試験対策の勉強会も行われています。


  • 入試について

  • 総合型選抜は実施していますか?
    はい、実施しています。総合型選抜の詳しい内容は文教大学ホームページの「入試情報」のページをご覧ください。その他、学校推薦型選抜や一般選抜(全国入試、A日程入試、C日程入試、大学入学共通テスト利用入試)など、様々な入試の方法がありますので、自分にあった方法で受験してください。

  • 全国入試とA日程入試の違いは何ですか?
    最大の違いは、受験会場の違いです。A日程入試は文教大学を中心に試験を行いますが、全国入試は全国の試験会場で実施していますので、近くの会場を選んで受験することができます。

  • オープンキャンパスについて教えてください。
    文教大学の雰囲気を知るためには、来場型のオープンキャンパスを利用することが効果的です。越谷キャンパスでは、年間5回程度のオープンキャンパスを実施しています。授業内容や入試について臨床心理学科の教員から直接話を聞くことができ、体験型のプログラムに参加し大学の授業の様子を知ることができます。また、模擬授業も受けることができます。ぜひ、お出かけください。オンライン型のイベントも行っています。
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