浅野 正

専門領域
臨床心理学、犯罪心理学
自己紹介
岐阜県で生まれ育ち、大学から東京に出てきました。大学時代は様々な分野の本を乱読しましたが、その中で「無意識の発見―力動精神医学発達史―」という本に出会い、心理学の面白さを知りました。大学院時代は、複数の臨床現場にかかわり関心領域を広げましたが、卒業後環境が変わるとそのほとんどが途絶えました。やはり研究テーマは、5年先10年先まで続けられるものを選ぶべきだと思いました。
大学院後、少年鑑別所と刑務所で12年間勤務しました。非行少年や犯罪者の心理アセスメントが主たる業務です。一時期ロールシャッハテストに没頭しました。当時ある臨床心理士の先生から、「ロールシャッハテストを勉強していることは分かるが、それ以外に何ができるのか」と聞かれ、答えに窮したことを覚えています。折しも、アメリカの大学院に留学する機会に恵まれ、自らの専門領域を広げられました。留学中は主に、被害者支援について研究しました。海外で異文化に適応しようとする努力を通じて、自らも成長できたと思います。他人と異なっていることに不自然さを感じないアメリカ人の気質にも共感を覚えました。
公務員を辞め、大学教員になりました。これまでの経歴を生かし、社会的な視点を大切にした研究を心がけています。被害者支援を中心とした、社会的な実践活動にも力を入れています。
専門分野・研究のテーマ
専門分野は、心理検査・心理アセスメント領域と、非行・犯罪心理学です。包括システムや力動的解釈に基づくロールシャッハテスト研究や、描画法の一つであるS-HTP法に関心があります。また、加害者を対象とした心理教育の実施と、その効果測定、被害者に対しては、被害体験からの回復を意図した心理的援助の実践に関心があります。
学生諸君へのメッセージ
アインシュタインの言葉に、「Imagination is more important than knowledge.」というものがあります。覚えたものはすぐに忘れますが、自らの強い関心に基づいて頭の中で繰り返し考えたことは忘れません。「知識」よりも「創造」を大切にして下さい。
池田 暁史

専門領域
精神分析、精神医学
自己紹介
数学の論理的な世界と、人のこころという極めて複雑な世界と、両方に魅力を感じていた私でしたが、浪人中に薄々気付いていた自分の数学的才能のなさを大学に入って早々に確信させられると、残る選択肢は哲学科か、精神科かとなりました (私の母校は3年生になるときに最終的な専攻が確定するのでした)。結局、精神科を選んだ私は、研修医として何人かの担当患者さんと臨床漬けの日々を送っているうちに、すっかり臨床が大好きになっていました。それでも哲学少年の面影がどこかに残っていたのでしょう。単に薬物療法で治療するだけでなく患者さんのこころに直截向き合う精神科医になりたい、そんな想いにとらわれて、精神分析を選び今日まで臨床と研究とを続けてきました。総合病院を中心に培ってきた精神科医としての経験と、精神分析の楽しさとを皆さんにお伝えできることをとても楽しみにしています。
専門分野・研究のテーマ
精神科医としては、双極性障害 (躁うつ病) の薬物療法や病態生理を専門としていました。もっともより力を注いできたのは、精神分析です。中でもスキゾイド・パーソナリティや境界パーソナリティなどの重症パーソナリティ障害のこころのあり様と、それに対する精神分析的心理療法の探求が中心テーマです。現在は、その流れで、メンタライゼーション理論という、精神分析の中でももっとも新しい概念の研究とその臨床応用に努めています。
学生諸君へのメッセージ
私の先の上司は、学生諸君を前にしてしばしば「よく学び、よく遊べ」と語っていました。こうして皆さんにメッセージを送る立場になった今、私もこの言葉を送りたいと思います。特に大学院進学を考えている人は、専攻以外のことをいろいろ経験しておくとよいでしょう。読書、映画、音楽、落語、歌舞伎、オペラ、絵画、陶芸、名建築めぐりなど、世の中には素敵なものが沢山あります。そして大学院は考えていないという皆さん。遊ぶだけでなく、自分の専攻のうちどれか1つでいいので徹底的に学んでみましょう。学問的な軸足を1つ持っていると、社会に出てからきっといろいろな場面で助けになると思います。
石橋 昭良

専門領域
非行臨床、犯罪心理学
自己紹介
群馬県高崎市で生まれて高校まで過ごし、大学以来ずっと東京暮らしが続いています。学生時代に読んだK.Lorenz著「攻撃」の影響を受けてから動物やヒトの攻撃性に関心を持ち、少年非行が社会問題となっている時の教職を経て、ヒトの犯罪や非行とその援助に興味が傾き、その後、警察における少年部門の心理専門職として30年間従事しました。実践活動としては、①警察の少年相談窓口を通じて受理した非行問題などの相談事案について、家族療法・交流分析・ブリーフセラピイなどの技法を中心とした非行少年や家族への心理的援助活動、②特異な少年事件の心理学的分析、③非行少年の特性やトピッックな少年問題についての調査研究などを行ってきました。非行臨床は、前提として法的な枠組みがあり、少年自身の改善意欲が低いため、援助の際の工夫や知恵が求められます。そのため、カウンセリング、ガイダンス、ケースワークなどを柔軟に取り入れて、目の前にいる少年や家族に対する必要な援助を行ってきました。なお、身体を動かすことが好きで、小学校時代からサッカーをはじめ様々なスポーツにトライし現在も続けている体育会系の臨床心理士です。
専門分野・研究のテーマ
専門領域は、青少年の非行臨床を対象としたカウンセリングなどの心理学的援助活動、及び事例研究を中心とした犯罪心理学です。また、治療教育としてのソーシャルスキルトレーニング、家族画、修復的司法プログラムなどを実践してきました。現在の研究テーマとしては、犯罪少年の事例研究、青少年のインターネット利用への影響などに関する研究を進めています。
学生諸君へのメッセージ
時には「回り道」をしてみることをお勧めします。回り道は、専門以外の興味ある領域を学ぶ、これまで経験のない遊び、アルバイト、人との付き合いなど、日常生活には様々にあります。これから皆さんが学生生活を経て社会人となった時、仕事や人間関係で大なり小なりの壁にぶつかることがあるかもしれません。壁にぶつかり躓きそうになった時、回り道をした経験が、壁を乗り越えていく精神的な筋肉として、きっと役に立つと思います。
太田 和敬

専門領域
教育学
自己紹介
高校生のときに、新聞部の活動をする中で、教育に関心をもっていましたが、教科書訴訟が提起され、宗像誠也という人の著書を読んで、教育行政学を将来研究しようと心に決めて、現在に至っています。実際には、広く社会の中で、個々人の人生選択と、社会の側からの人材選抜とが、どのような関係になっているかを、主に西洋の現代教育制度を研究することで、追求しています。個人が、自己の能力を最もよく発揮できる選択が、社会全体として、構成員の力をもっともよく引き出すことになるようなシステムを究明することが、生涯の課題です。
専門分野・研究のテーマ
中心の受け持ちは、「国際教育論」という授業ですが、近年は、インターネットを教育活動に活かすことを、いろいろな授業で試みています。ホームページを作り、海外と交流を試みたり、メーリングリストや掲示板を授業に利用しています。人間科学部と私個人のホームページも作成しています。今後も継続して、内容充実に努力しますので、ぜひ、アクセスして下さい。
太田 和敬ホームページ http://www.asahi-net.or.jp/~fl5k-oot/
学生諸君へのメッセージ
具体的な事実からしっかりと本質を見抜く力を大学で身につけてほしいと思います。
岡田 斉

専門領域
知覚心理学、認知心理学
自己紹介
生まれは大阪で19歳まで関西にいました。その後、仙台、新潟にそれぞれ10年くらい住み、越谷に来て7年がたちました。中学・高校のころはテレビをばらしたりアマチュア無線に没頭する「電気屋さん」でした。しかし、高校生の終わりごろ本屋でふと目にした催眠の本を買ったことがきっかけでフロイトのことを知って心理学にはまり、「理系」の生徒であったにもかかわらず無謀にも「文系」の心理学を学ぼうと方向転換し、何とか目的に近い大学に進学できました。しかし、心理学の専門課程に進むにあたって専門の先生の面接があったときに意気揚々と「精神分析を学びたいです」と言ったところ、鼻であしらわれて、複雑な気分になったものでした。その後、専門を学んでその意味がわかりました。心理学ではフロイトの言うような「深層心理」どころか、見たり聞いたりするというような疑いようがないと思われる心の働きすらよく解明されていないということでした。その当時の研究室では視知覚の研究が盛んだったのですが、私は皆とは反対に見えないものの研究をしたいと考え、聴知覚を研究テーマに選びました。最近では物理的には音源がないのに音が聞こえるイメージや空耳、幻聴といった現象に興味を持って研究しています。さらに、それに加えて「夢見」についても研究しています。夢の分析とか夢の意味といったことではなく、夢を見ているときの脳の働きや夢をよく見る人と見ない人はどのように違うのかついて興味があり、調査を中心とした研究を行っています。車好きです。勢いで屋根の開く車を買ってしまったので、真冬でも全開で走るように心がけています。漫画も好きです。座右の本は「ぼのぼの」です。
専門分野・研究のテーマ
1.聴知覚、聴覚的イメージ、空耳・幻聴についての実験的研究
2.夢見の認知心理学的研究 夢見の形式的特徴に関する調査研究
学生諸君へのメッセージ
1.「君の行動がどういうふうに変わっていくのか、私にはわからいね。」
「人にできることというのは本当に驚くべきものがあります。人は自分が何ができるかを知らないだけなのです。」ミルトンエリクソン。
2.越谷キャンパスには四季折々に食べられる果物がたくさんあります。ぜひ探して味わってみてください。
幸田 達郎

専門領域
臨床心理学、社会心理学、経営学
自己紹介
高校・大学と、ひたすらぼんやり過ごしてしまい、就職活動の時期になってとても慌てました。自分はいったい何をしたらいいのだろう?自分にはいったい何ができるのだろう?
押し流されるように大量採用の総合電器メーカーに就職。でも、疑問ばかりでした。なんでこの人はこう動くのだろう?なんであの人のいうことはみんな聞くのに、こっちの人のいうことはいつも無視されるのだろう?
疑問を解決したくなって、生まれて始めて勉強しようと思いました。会社を辞めて大学院に入りました。一生懸命、経営学を勉強しました。いくつもの謎が解けた気がしました。謎が解けた気がしたら、今度は習ったことを自分で使ってみたくなりました。
今度は放送局で一生懸命働きました。仕事が面白いまま、あっという間に15年が経ちました。その間、あれっ?と思うことが何度もありました。これまで習ってきたことだけでは分からないことがたくさんありました。角度を変えて”人間”について勉強したくなりました。働きながら、心理学に分野を変えて、大学院で勉強しました。習ったことを色々な会社に応用して社会の役に立ちたいと思いました。組織・人事のコンサルタントになりました。夢中で働いてきました。まだまだ解決しないことだらけです。
専門分野・研究のテーマ
・組織の中の人間行動
・組織風土とリーダーシップ
・仕事と能力
・キャリア発達
・産業カウンセリング
そんな分野の周辺に関心があります。
学生諸君へのメッセージ
私自身、学生時代から、将来何をしたいのかについて迷い続けてきました。たくさんの回り道をしました。その時々、その最中には、まったく無駄に見えたことばかりでした。でも、無駄に見えたことでも一生懸命やってきたことのほとんどは、ずっとずっと後になって役に立ってきました。 “今”が無駄に見えたとしても、それは少しずつ少しずつ自分の将来を形づくる原材料として蓄積されています。どんな経験でも将来の自分の基になっていきます。皆さん自身と同じような経験をしている人は、他にもたくさんいるかも知れません。でも、経験に意味をつけるのは自分自身なのです。私自身の反省を込めて、皆さんには大学時代を意味のある4年間にしてもらいたいと思います。そのためにも、できれば何かを一生懸命やってもらいたいと思います。一緒に勉強しませんか?
今野 義孝

専門領域
障害児心理学、臨床心理学、健康心理学
E-mail
konchan@koshigaya.bunkyo.ac.jp
自己紹介
1948(昭和23)年1月10日の明け方、雪深い秋田県の山村に生まれる。鳥海山の霊峰を仰ぎながら育つ。高等学校を卒業後、国文学者になることを夢みて、国文科に入学する。ここで、鴨長明の方丈記について美学的方法論に基づいた研究を試みる。しかし、当時全国的にまきおこっていた学生運動(大学紛争と呼ぶ人もいる)に遭遇するなかで、自分の生きかたや学問的な姿勢に疑問を感じるようになる。ちょうどその頃、ふとしたことで精神病院の夜間の看護助手のアルバイトをすることになる。この経験は、これまで書物のなかでしか人間との出会いをもたなかった私にとって大きな衝撃となった。それ以来、人間の心の不思議さにひかれていく。さらに、人間どうしの心が響き合う真のコミュニケーションの再生と創造の仕事に関心を抱き、国文科を卒業すると同時に教育学部に入りなおし、ここで特殊教育学と臨床心理学について学ぶ。卒業後大学院に入学。さらに研究を続け、現在の研究テーマに遭遇する。1988年に、「動作的アプローチによる発達障害児のセルフコントロールに関する研究」で、筑波大学より教育学博士の学位を授与される。
専門分野・研究のテーマ
主な専門分野は、障害児心理学、臨床心理学、健康心理学である。これまで一貫して継続してきた研究テーマは、心と身体の体験の統合をめざす「癒し」のためのホリスティック・アプローチである。現在は、主として認知行動療法と動作法、それに東洋的な行法をべースにした指導方法や臨床心理学的な援助方法の開発研究を行っている。今後は、これらの考え方に、「間主観性」や「間身体性」などの考え方を取り入れた家庭・学校・地域社会の再生に向けたアプローチの方法を開発していきたいと考えている。また、心と身体の体験の共有という観点から、新たな臨床心理学的な援助方法の開発研究を行っていきたいと考えている。
学生諸君へのメッセージ
大学生活の意義は、物事を深く理解しようとする研究的な態度を養うことにあるのではないだろうか。「研究」というと、なにか特別なことのように思われるかも知れないが、研究テーマは日常生活のなかにいくらでも潜んでいる。それは、「これはなんだろう」というちょっとした疑問や「どうしてなんだろう」と不思議に思うことに端を発している。学生諸君には、そんな疑問や不思議にこだわってみることを是非やって欲しいものである。本の中に「正解」を見つけるのではなく、自分の目と手を使った「実験」を通して解答を見つける努力をして欲しいものである。
髙尾 浩幸

専門領域
臨床心理学、ユング心理学、精神分析、精神医学
自己紹介
多感な学生時代を雪深い北陸で過ごしました。受験勉強がきっかけで読み始めた小林秀雄に感激し、大学時代、森有正とともに愛読。医学部を卒業し、精神医学を選んだのには、「人間をものとしてでなく、身体とこころを兼ね備えた存在として理解したい」という動機があったからです。そこで、精神病理学の伝統のある東京医科歯科大学神経精神医学教室に入局しました。東京医科歯科大学医学博士。医科歯科大での研修に刺激を受け、ユング派の精神分析に強く惹きつけられ、のちに心理療法をさらに深めるため、チューリッヒ・ユング研究所に留学。4年間にわたる専門的トレーニングを受け、ユング派分析家の資格(Diploma)を授与されました。帰国後は、精神病院で臨床の仕事をしていましたが、文教大学臨床心理学科に移り、ユング心理学の教育・研究を続けています。所属学会は、IAAP(International Association for Analytical Psychology)、日本心理臨床学会、日本ユング心理学会、日本箱庭療法学会、日本家族研究・家族療法学会など、です。私自身、ものを覚えることがあまり得意でなく(皆さんの名前を忘れたら、ごめんなさい)、組み立てて考えるほうが好きなので、刺激的なディスカッションを楽しみにしています。絵を見るのが好きで、意外にテニスも少しやります。
専門分野・研究のテーマ
専門は、ユング派分析、ユング心理学です。人間の魂が神話、昔話、物語などの言語表現、そして箱庭、コラージュ、夢、絵画などの非言語的な表象のなかに象徴として現れてくる「こころの創造的機能」の証人として厳かに立ち会い、また分析する研究を通して、迷路のようなこころの不思議を解き明かしていきたいと願います。
学生諸君へのメッセージ
夢を見よう。夢のために働こう。すると、喜びも悲しみも含めた人生が開かれます。道はそこにあります。大学時代は、夢を見る能力を共に高めましょう。
田中 志帆

専門領域
臨床心理学、精神分析的心理療法
自己紹介
大学時代の恩師との出会い、精神病院での長期実習の中で精神分析的アプローチに興味を持ち大学院から現在を通して学び続け臨床実践をしております。大学院時代は総合病院の精神科、精神科クリニックの心理士、まだ委託研究だったスクールカウンセラーをして学費を稼ぎました。その後、群馬県の女子大と,その後は都内の短大で教鞭をとりました。主に精神科クリニックや学校臨床の仕事をしながら、臨床実践と研究との両立を続けて今に至ります。
専門分野・研究のテーマ
精神分析的心理療法、思春期から中高年までの心理臨床、子どもの心理臨床
動的学校画の基礎研究と実践、摂食障害の臨床とリサーチ研究、臨床描画法の研究、他にも教育相談や学生相談など。
大学の教員ではありますが、研究者というよりも、日々臨床実践者としての「私」を核にしていたいと思っています。
学生諸君へのメッセージ
心理学に必要な想像力を養うためには、様々な視点から深く考え、自分の言葉で語ることが重要ではないかと考えます。大学時代に沢山の経験をして大いに悩み、迷い、喜び、たとえ躓いてもタダでは起き上がらずに、それぞれの大切な発見や気づきが得られますように。皆さんの豊かな人格が育ちゆくためのお手伝いができると幸いです。
谷口 清

専門領域
専門領域 発達心理学、生理心理学、発達臨床心理学、学校臨床心理学
自己紹介
小学校の頃よく新聞の人生相談を読んでいました。人に悩みがあるのが不思議だったからです。それだけ幸せだったのかもしれません。
中・高時代、私は教師になろうと考えていました。進学にあたり、「教えたことが理解されたとどうしたらわかるか」と考え、心理学を選びました。大学入学後、心理学で人の心が読めるわけではないとわかり、代わりに当時最先端の脳波研究に出会いました。物質としての脳がどのように意識を生みだすのかをずっと疑問としています。その後「子どもの脳の発達」をテーマとするようになり、秋田に職を得てからはもっぱら自閉症研究に携わってきました。「ほかの子が自然にわかることがなぜわからないんだろう」との疑問を脳の仕組みとの関係で考えたいと思ったからです。その中で「わかる」とは、あるいは「わかり合う」とは、ということについて様々に考えるようになりました。
十数年前、縁あって30年ぶりに故郷三郷に戻ることができたことを機会に、スクールカウンセラーとなり、その後も三郷市内の教育相談のお手伝いを続けています。私が育った小・中学校時代三郷は純農村で地域の絆が強く、地域によって育てられたという思いが強かったのですが、都市化した現在の子どもの育ちの現状を知りたかったからです。近年取りざたされているいじめ、不登校、非行など子どもの育ちをめぐる諸問題について理解を深め、今後の解決の方向性を探ることが現役世代の役割とも思えたからです。
専門分野・研究のテーマ
自閉症児の語音知覚に関する研究、アタッチメントと学校不適応 、脳と心の関係、精神機能(コミュニケーション能力)の獲得過程
学生諸君へのメッセージ
大学は言葉・知識が生産される場です。あるいは言葉、知識を検証する場ともいえます。その生産現場に居合わせ、関わることで知識・言葉の背景にある人の営み、蓄積(歴史)を知り、常識(コモンセンス)を身につけることができます。その意味で文化が継承される場といえます。何にでも興味を持ってください。そして出会いを大切にし、また楽しんでください。心を科学しましょう。
谷島 弘仁

専門領域
学校心理学、コミュニティ心理学
自己紹介
大学院で教授学習過程を専攻しようと思い、入った研究室に発達相談室が設置されていたため、学習障害や自閉症の子どもと遊んだり勉強の相手をしたりすることになりました。親との面接では年下の大学院生であるためか相手にされず、途方に暮れたこともありました。当時、カウンセリングの知識をほとんど持っていなかったので、まさに実践から飛び込んだわけです。その後、大学に勤めながらスクールカウンセラーを6年ほど兼任し、やっとカウンセリングがわかってきたかなと思えるようになりました。
専門分野・研究のテーマ
学校心理学とコミュニティ心理学を専門としています。現在関心を持っているテーマは「スクールコンサルテーション」です。どのようにすれば教師とスクールカウンセラーがうまく協働できるのか。スクールカウンセラーとしての自分の課題でもあります。
学生諸君へのメッセージ
あまり興味のないことでも機会があれば経験しておくことをお勧めします。もう一つ、学生時代から自分なりのストレス解消法を見つけておくと、後々、役に立ちますよ。
名尾 典子

専門領域
乳幼児期から青年期の臨床心理学、障害児・者の発達支援、家族への援助、ファンタジーグループ
自己紹介
北海道生まれの埼玉育ち。上智大学大学院在学中より、子どもの心理臨床に関する現場との出会いが多くあり、自然に子どもの心理臨床へ深く関わっていくことになりました。教育相談所、児童相談所、小児科や精神科の病院、保健所、保育園、小学校、障害者施設などの現場に非常勤で勤務し、様々な問題を持つ子どもや家族への心理的援助、及び異業種の専門職の方々へのコンサルテーションを行ってきています。また、保育者の養成の仕事にも縁があり、保育者養成の専門学校の兼任講師を経て、保育者・小学校教諭を養成する短大に専任で5年間勤務し、学生の教育の傍ら、学生相談も担当してきました。縁あって、今年から文教大学に勤務することになりました。今までの経験を学生さんに伝えつつ、一緒に学んでいきたいと思っています。 趣味は、音楽鑑賞、サッカー観戦、旅行。現在子育て中で、家庭生活の中心は専ら子どもとの関わりなので、今まで自分が臨床の場でしてきたことが役に立っていたのか?日々検証中です。

推薦図書
ル=グウィン著『ゲド戦記1 影との戦い』 岩波書店
全6巻シリーズの第1巻。ジブリによるアニメ映画化で一躍有名になりましたが、見た人も見ていない人にもぜひお勧めの1冊です。不思議な力を持つ少年ゲドは、魔法使いになるための修行をするが、禁じられた呪文を唱え、影を呼び出してしまうというストーリーです。ゲドが影との戦いを通じて成長していく姿は、私たちが生きていく上での心の糧になることでしょう。その後の大賢人ゲドが活躍する第2巻以降もお勧めです。

村上春樹著『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』 新潮文庫
高い壁に囲まれ、外界との接触がない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語〔世界の終り〕と、老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。二つの世界の物語が同時進行します。物語の世界に引き込まれながら、自分自身について、また、生きるということについて深く考えさせられることでしょう。

小泉吉宏著『ブッタとシッタカブッタ』(シリーズ) メディアファクトリー
悩めるブタ、シッタカブッタに導かれて、人生について学ぶ本。漫画ですが、悩んでいるとき、疲れたときに読むと、心が軽くなります。そして、自分自身の幸福や不幸、悩みの正体を知ることでしょう。
布柴 靖枝

専門領域
臨床心理学、家族心理学、家族療法、スーパービジョン学
自己紹介
福岡県生まれ。幼い頃は、路地裏や古い家が大好きで、そこに暮らしてきた人の気持ちや暮らしを想像しながら遊ぶことが大好きな変わった子どもでした。学生時代は、京都で学生ガイドとして神社仏閣巡りを堪能しつつ、遊戯療法や精神分析的アプローチを学ぶ機会を得ました。卒業後8年間、神戸市で多問題家族の援助に関わってきました。その中で、家族を支援することの重要性を痛感し、家族療法を学ぶようになりました。その後、渡米し、大学院を修了し、家族療法の本格的なトレーニングを受ける機会を得、5年弱のアメリカ生活を経て帰国しました。その後、仙台の大学で教鞭をとりつつ、産業、医療、教育、福祉、私設心理相談分野でカウンセリングやコンサルテーションに従事してきました。また、博士後期課程に編入学し、家族の統合的心理療法や、スーパービジョンの実践研究に取り組み、学位(博士)を取得しました。今まで、様々な場や領域で人の心に携わる仕事をしてきました。臨床が何より好きで、私にとっての最大の師は、今まで出会った多くのクライエントの方々であり、学生達です。ラージャーシステムの活動として国連の諮問機関であるNGOでの活動もしています。臨床心理士・家族心理士・上級教育カウンセラー・社会福祉士の資格を持っています。
専門分野・研究のテーマ
家族心理学・統合的家族療法・多世代的視点から症状の意味・家族神話(世代を超えた家族の物語)研究・スーパービジョン学・学生支援プログラム・ハラスメント相談対応の実践的研究
学生諸君へのメッセージ
気の合う友人とだけ付き合うのではなく、「むむっ!?」と思う友人との出会いこそ大切にして下さい。「異(い)なるもの」との出会いは、時に混乱をもたらすこともありますが、新たな自分を知り、自己を確立することに役立ちます。多様な人たちと出会えるのも学生時代に味わえる醍醐味です。皆さんとの出会いを楽しみにしています。
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