• 心理学科のコース選択は、いつ、どのようになされるのですか?
    心理学科には、心理学コース、健康心理学コース、ビジネス心理学コースがあります。1年生に入学した段階ではすべての学生が心理学コースに所属します。その後、コースオリエンテーションなどを経て、各自の希望するコースを申請し、2年生に進級するときから心理学・健康心理学・ビジネス心理学の3つのコースのうちのひとつに所属することになります。コース選択は、これまでのところ本人の希望が最優先されています。

  • 心理学コースでは、どんな心理学について深く学ぶのでしょうか?心理学コースは健康心理学コースやビジネス心理学コースのように、〇〇心理学となっていないので質問をしました。
    心理学コースは基礎心理学領域に分類される専門を深く学ぶことができます。「基礎」という言葉がついていますが、基礎=簡単という意味ではありません(もちろん、難しいと言う意味でもありません) 。日々の生活で、私たちが見たり聞いたり感じたりすることの仕組みや、感情の変化が私たちにどのような効果をもたらしているのかなど、心の基礎を深く学ぶコースです。このような基礎心理学の知識は、伝わりやすいデザイン表現など、私たちの日常生活の中でも役に立っています。人間の基本的な心の仕組みを理解することは、人間科学の重要なアプローチでもあるのです。

  • 「心理実習Ⅰ・Ⅱ」は、どのような実習ですか?
    「心理実習Ⅰ」は3年次に、「心理実習Ⅱ」は4年次に行います。
    3年次に行われる「心理実習Ⅰ」では、東京大学医科学研究所附属病院で5日間の実習を行います。たとえば医師の回診に同行したり、看護師の仕事を間近で教えてもらったり、薬学実習として実際に薬を調剤します。また検査部や手術室、バイオバンク、栄養管理室など、日頃は絶対に入ることのできない部屋を見学したり、様々な検査を自分で実施体験するなど、心理学科でなければ絶対にできない貴重な実習が盛りだくさんです。
    4年次に行われる「心理実習Ⅱ」は、「心理実習Ⅰ」を履修済みで、公認心理師資格取得を目指す4年生が履修可能です。障害者の就労支援事業所である「せんげん台 世一緒(よいしょ)」で、5日間の実習を行います。利用者のみなさんと活動をともにしながら、地域における障害者支援の実際を肌で感じ、障害者のみなさんそして支援者のみなさんとの交流を通じて、人が生きる現実と必要な支援について考えることを目指します。心理支援の仕事がしたいという希望を深く見つめる機会となるでしょう。
    3年次の「心理実習Ⅰ」の履修には選抜がありますが、公認心理師資格希望者でなくても履修が可能です。将来、心理の専門職以外の進路を考えている人にとっても、今後の日常生活や職業生活において、自分自身や身近な人の健康生活の実現、維持、向上に役立つような、実践的な心理学の考え方と技法を身に着けることができるでしょう。

  • 心理学科に進んでもカウンセリングの勉強はできますか?
    むかしは「心理学を勉強しています」と言うと、「いま私が考えていること当ててみて!」だった? 占い師じゃないって! いまは「じゃ、カウンセリングして!」?心理学=カウンセリングじゃないって!
    ともかく、カウンセリングが心理学学習の教養の一部になっていることは確かです。心理学科のカリキュラムでは、「カウンセリング」は3年次の必修科目になっています。 カウンセリングの実践領域は福祉・教育・産業・医療などに分類されますが、2年次には「福祉カウンセリング」「学校心理学」「産業カウンセリング」、3年次には「健康心理カウンセリング」があります。3年次には「健康心理カウンセリング実習」もあります。1年次にはカウンセリングの基礎学である「臨床心理学概論」もあります。 人間科学部は学科間の垣根が低く他学科の科目も複数履修できるので、臨床心理学科の科目を履修すればさらに、さまざまな療法を学ぶこともできます(精神分析、行動療法、家族療法、グループアプローチ、芸術療法などなど)。心理学は臨床心理学やカウンセリングの基礎学ってこと、忘れないでね!

  • ビジネス心理学実習ってどんな実習をするのですか?
    企業にうかがって、入社3年~5年くらいの若手社員の方にインタビューをします。インタビューの内容は、一人前の社会人になるためにどのような努力をしたか、また上司や先輩など周りの人々からどのようなサポートをしてもらったかなどです。インタビューを文字記録に起こし、それをデータとして新入社員が会社になじんで一人前になっていくプロセスを理論的・実証的に分析します。以上は15程度のグループが競い合う形で進められ、分析結果は、学内外に開かれた発表大会を通じてコンテスト形式でプレゼンテーションし、評価を受けます。こうした活動を通じて、分析する力、発表する力、グループで協力する力などを獲得するのです。また、ほかにも自らインターンシップに応募して自身の体験から学ぶ実習もあります。

  • 心理学科に進むと、卒業後にどのような進路が考えられますか?
    企業へ就職する人が多いですね。東証1部上場の大手企業に行く人もいますし、ベンチャーにあえてチャレンジするたくましい人もいます。業種も金融、メーカー、サービスなど多様です。心理学が多様な場面で生かされている学問という事情を反映しているのかもしれません。ついで公務員に進む人が多いです。中央官庁はほとんどありませんが、市役所には毎年相当数が進んでいます。また教員免許を取って教員になる人もあります。人を教えることには心理学が必要になる一面がありますので、生徒に寄り添える先生になっているようです。

  • 心理学科を卒業して、大学院に進学することで、臨床心理士や公認心理師になれますか?
    なれます。そのためには、必要な科目を整備して、認定を受けている大学院に進学する必要があります。修士課程を修了して、資格試験に合格することで、心理専門職の資格が取得できます。公認心理師の場合、大学院だけではなく、学部でも定められた必要科目を履修しておかなければなりません。心理学科のカリキュラムでは、公認心理師に必要となる科目が整備されています。

  • 高校の先生から、心理学には数学の勉強が必要だと聞きました。私は文系なので数学には自信がないのですが・・・。
    心理学科では、実験や調査の結果を分析するために、心理統計法やデータ解析法を学びます。しかし、心理学科の学生の多くは文系科目のみの受験で入学してきており、数字の扱いに慣れていない人も多く見受けられます。そういった文系の学生でも、くじけずに楽しく学べるように、文教大学では授業や実習で様々な教育の工夫を行っています。上級生になる頃には、それなりに使いこなせるようになっているようです。

  • 心理学には、なぜ実験の科目があるのですか?
    心理学では、私たち人間のこころについて、科学的に理解することを目指しています。心理学者は、「科学的に」というところが、大切だと考えています。私たちが感じたことや経験したことを、他の人も同じように感じたり経験しているとは限りませんし、全く同じように理解しているとも限りません。私たちの心的経験を目に見える形にし、共通認識ができるようにすること、つまり、誰でもいつでも同じように理解できるようにすること、その科学的な方法の一つが実験なのです。

  • 消費者の心理について勉強したいんですけど、できますか?
    心理学科では、「消費行動心理学」と「産業・組織心理学」の科目がビジネス心理学コース2年生の必修科目として設定されています。もちろん、他のコースでも希望する学生は履修することができます。「消費行動心理学」や「産業・組織心理学」は講義形式の授業ですが、上級生になって履修できる「人間科学演習Ⅰ・Ⅱ」や「卒業研究」の科目では、希望者は担当教員から指導を受けながら、お店を模した実験室で実験を行うことができます。これまで行った研究を少しだけ紹介すると、バラやレモンの香りを店舗内に充満させて香りが購買行動に与える影響を検討したり、アイカメラを用いてPOP広告の効果について検討したり、他にも、音程の違う音楽を流してBGMの効果や、マネキンやハンガーを使った洋服展示の効果、店員さんの声掛けの効果を検討したり、、、、などなど、先輩方は自身のアイディアを生かして、たくさんの消費者心理に関わる研究を行ってきています。
    オープンキャンパスでは、お店を模した実験室(ときどき本当のお店と間違えられます)を公開して実験の紹介をすることがありますので、ご興味のある方はプログラムを確認の上、遊びに来てください。
    オープンキャンパスのページはこちら

  • 心理学では、「ウソ発見器」を使ってウソを暴いたりするんですか?
    心理学では、いわゆる「ウソ発見器」を使うことがあります。こころの動揺は体に現れるものです。ウソ発見器では、緊張したときに出る「手の汗」を測定することが多いです。ほかにも心の状態を探るために、呼吸、心拍、血圧、脳波、筋電図、皮膚温度、だ液の活性の変化を測ることもあります。ちなみに、ウソ発見器は、ウソをついているかどうかを直接調べる道具ではなく、真犯人しか知らない犯罪に関する事実を聞かされたときに、容疑者の手の汗や呼吸などが変化するかどうかを測るものです。

  • 入学したら、どのような奨学金制度がありますか?
    文教大学では、文教大学奨学金をはじめいくつかの奨学金を用意しています。他にも、国や自治体による奨学金制度があります。くわしくは、こちらをご覧ください。
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