2025年は近現代文学史上重要な作家のひとりである三島由紀夫(大正14年(1925)-昭和45年(1970))の生誕100年にあたります。
『潮騒』『金閣寺』など多くの人に知られる小説から、劇作家としての『鹿鳴館』『近代能楽集』、歌舞伎『椿説弓張月』『鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)』といった作品、文章読本、随筆、文芸評論、紀行など、多数の著作があります。
官僚の家に生まれ、幼少から学習院にて学んだ三島は東京帝大法学部を経て大蔵省に入省しますが、早々に退職し学生時代から始めていた文芸に専念します。
「早熟の天才」と認知され、スター作家となり多くの芸術家・文化人と交流する一方、
病弱であった子供時代の経験から、
健康的な肉体を得るためボディビルやボクシング、剣道による鍛錬を行ったり、その思想から自衛隊に体験入隊したりする面も持つ人でした。
作品もニヒリズムを伴うもの、耽美的なもの、悪の香りが漂うもの、牧歌的、ロマンティックなものなど多様です。
展示した本の中には、『スポーツ論集』『十代書簡集』『倅・三島由紀夫』『三島由紀夫の家』(写真集)など、こういうのもあるんだ!と思うものも。
この小展示が三島の生涯と作家活動を知る一助となりましたら幸いです。
【参考文献】
・小学館『日本大百科全書』
・平凡社『世界大百科事典』
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