文教大学大学院 人間科学研究科

「人間愛」-私たちが最も大切にしていること

研究科長 挨拶


私たち人間自身やその営みにはさまざまな側面があると同時に捉え方がある。例えば、明と暗である。いや明から暗に至るスペクトラムがあると考える方が実際を反映しているであろう。明の部分を対象に人間を捉えれば満足、時に驕りさえ私たちの心に生ずるであろう。他方、暗の部分を捉えてみればその多様さ深刻さに驚かされ、たじろいでしまうかもしれない。しかし私たちが、私たち自身あるいはその営みのある側面について明・暗いずれか一方の極だけに意識をむけ、それを理解しようとすることは、「木を見て森を見ず」と言えよう。結果としてそこから引き出される判断や対応が不十分に終わることもしばしばである。

人間科学はこうした問題を乗り越える可能性を大いに持つ、知と実践の枠組みである。つまり人間科学は、人間に関わるさまざまな学問領域の知見や実践を背景に総合的な視点から現象や問題の本質やメカニズムを明らかにしようとするものであり、さらにそれらに基づいた間題解決を提案し実践に生かそうとするものである。
文教大学大学院学則第4条の2は、人間科学研究科の目的を「心埋学、社会学及び教育学の学問的体系を基礎にしつつ、その総合に立って、人間科学に関する総合的、学際的な知性の涵養と共に、心の健康、人間性、家族関係、地域活動、生涯学習等に関して幅広い見識と高い専門性を持つ人材を養成すること」と明記している。つまり、「人間科学」とは、人間の幸福を追求する科学であり、人間全体の理解と人間が生活する場で生起するさまざまな間題の解明を通して得られた知見に基づいて社会・人類に貢献することを目指すものである。さらに、特筆すべきことは、本学大学院人間科学研究科は、文教大学の理念である人間愛の実現を目指していることである。

文教大学大学院人間科学研究科は、臨床心理学専攻と人間科学専攻を有している。臨床心理学専攻修士課程の教育課程は、人間の心理・社会的適応を研究し、援助実践を行うことのできる高度の専門性を持つ人材を養成することを目指して構成されている。臨床心理学専攻で学んだ修了者は、そのほとんどが財団法人日本臨床心理士資格認定協会認定の「臨床心理士」を取得し、「心の専門家」として社会的義務を果たしている。
人間科学専攻は、人間の発達と健康をキーワードとした高い専門性を持つ人材の養成を目指し、「人間科学特論」「健康心理学特論」「健康教育特論」「心理学」「社会学(社会福祉学を含む)」「教育学」など、学際的な知性の涵養という観点から科目が開設されている。このように、人間科学専攻の教育課程は、人間科学という学際的な学問領域を広く学修し、かつ専門分野の探求に適した内容となっている。

ところで、大学院は私たちの中でどのように位置づけられるのであろうか。本来、大学院は研究者や高度な専門性を持った職業人としての基盤を身につけるための能動的な学びと研究の場である。つまりこれは自らの問題意識に基づき知識を系統的に深めるばかりでなく、自ずとそこから生じてくる課題や問題を究明することが求められる。したがってそのための理論や方法をも併せて身につける必要がある。また学問的立場や背景の異なる人々とも意見を交換することによって研究や専門的実践能力をさらに培っていくことが求められる。私たち教員は、院生の皆さんと心を合わせてこうした学びと研究の場を築くことを願っている。
研究科長 神田信彦

臨床心理学専攻

臨床心理学専攻では、以下のことを教育・研究理念としたカリキュラムを整え、指導にあたっています。
■修士課程においては、心理学及び臨床心理学の学識を身につけるとともに、臨床体験によって習得した臨床技能及び臨床を踏まえた研究を通じて、高い専門性と豊かな人間性を備えた心理臨床家を養成すること。
■博士後期課程においては、一層高度の研究・学識・技能を通じて、臨床心理学領域における自立した研究者及び心理臨床家の指導ができる高度専門職業人を養成すること。

真の実力を身につけた臨床心理士を養成
私たち臨床心理学専攻は、臨床心理士養成のために以下のことを重視します。
1.考える力を育み、心理臨床の基礎力を涵養すること
2.医療・教育・発達・福祉・産業などさまざまな領域で求められる知識・技術を伝えること

特色
1.専任教員による幅広い領域の授業カリキュラム
現場経験豊富な教員や、研究者として実績を重ねている教員が、バランスよく配置されています。基礎的な心理学や研究指導も、よき臨床家となるために重視します。
2.医療系を中心に教育・司法施設での充実した実習先
M2になると、実習を受ける機会があります。本大学院では、病院やクリニック、司法相談施設などを中心に多様な臨床施設と協力関係を結んでいます。大学病院や私立の精神神経科病院、クリニックなど多彩な医療機関などで継続的に実習を行なう外部実習と、学内の臨床相談研究所で、ケースを持ち指導を受ける内部実習があります。
3.スーパービジョン・ケースカンファレンスの充実
実習指導のスーパーバイザーとして、現場の実務家を多数登用しており、少人数グループで、スーパービジョンを毎週2回受け、授業内のカンファでも検討する機会があります。また、必要に応じて教員が個別にスーパービジョンを行ない、充実したスーパービジョン体制をとっています。
教員からのメッセージ
布柴靖枝(家族心理学・家族療法/専攻長)
本学の大学院の院生は、あらゆる領域の臨床心理学を15名の専任の教授陣から学ぶ機会を与えられています。実践と研究をバランスよく身に着け、「人間愛」に基づいた学びをしています。互いに助け合い、磨きあう環境が伝統的に受け継がれており、それが臨床心理士の合格率の高さにつながっています。

人間科学専攻

人間社会の発展を支える人材を養成
私たち人間科学専攻は、人間科学に基づいた人材の養成のために以下のことを重視します。
1.広く人間に関する諸科学に目を向けて総合的・学際的でより高度な専門知識を身につけること。
2.心理学、社会学、社会福祉学などさまざまな領域で求められる知識・技術を伝えること。

特色
1.専任教員による学際的で充実した授業カリキュラム
豊富な経験と研究者として実績を重ねている教員が、バランスよく配置されています。基礎的な心理学や研究指導を通して、幅広く活躍できる人材を養成します。
2.「人間科学特論」を基礎において人間研究のための協創を目指す
幸せでより充実した人生を送ることができるために「心身の健康」について探求していきます。 健康な生活を基盤とする人間生活の向上と発展をめざす学習を進めていきます。
3.少人数制に於ける研究指導の充実
学生は、自らの研究計画に基づき、幅広い関連研究領域の指導教員による充実した指導を受けます。 一方的な学習方式とは違った、人間科学専攻ならではの幅広い横断的な学習が可能になります。
教員からのメッセージ
関井友子(ジェンダー論、家族社会学/専攻長)
人間科学専攻では人間社会を把握するための多様な視点・幅広い観点の獲得を目指しています。卒業生の進路も公務員や病院・施設あるいは企業など多様で、専攻の学びを生かした職場で活躍しています。人間を深く洞察し、その学びを社会に役立てるよう期待しています。ともに学んでいきましょう。

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