文教大学大学院 人間科学研究科

専任教員による幅広い授業カリキュラム






臨床心理学特論Ⅰ
<今野 義孝>

臨床心理学領域の諸活動において共通の基盤となる障害論および援助方法論を取り扱う。特に、心理臨床に関する専門的な理解を深めるため、心理査定、心理面接、精神療法等の対象となるクライエントを、DSM-5で採用されている主要な診断カテゴリーに分類し、その診断および治療について、臨床心理学的視点から分析し、討議する。
授業は、報告者が、順次、上記の診断カテゴリーのうちから一つを取り上げ、話題を提供し、受講者全員で討議する形式で展開する。





臨床心理学特論Ⅱ
<小林 孝雄>

人間性心理学は、アブラハム・マズローによって、精神分析、行動療法に次ぐ「第3勢力」と位置付けられた。心理学だけでなく、哲学や社会運動の影響も受けながら、人間を全体としてとらえる心理学のアプローチとして発展してきている。
この講義では、人間性心理学の考え方と援助のアプローチを学ぶとともに、人間性心理学に位置する代表的な理論家・実践家の生き様にも触れることで、将来心理臨床実践を行う上での基盤の一つとなりうる、人間性心理学の理解を自分のものとすることを目指す。
また、人間性心理学を足場として、精神分析、行動療法をはじめ、臨床心理学全般の理解のための視点を獲得することも目指す。





カウンセリング特論Ⅰ
<田中 志帆>

対象関係論に基づく心理療法(カウンセリング)の面接の導入から終結までの一連のプロセスについて学ぶ。治療プロセスで起こること、さまざま出会う課題に臨機応変に対応するための基軸を育てることを目指す。実際の臨床実践においては、自身の感性を研ぎ澄ましつつ、アセスメントをした上で治療の目的と契約の意味を考慮し、対応することが求められる。さまざまな臨床場面でのロールプレイや精神力動的定式化を実際に行いつつ、実践力を高める。





カウンセリング特論Ⅱ
<小林 孝雄>

面接による対人援助方法のひとつである「カウンセリング」について、その基本的な理論、技法について理解する。知的理解にとどまらず、ロール・プレイなどの体験学習をとりいれながら体験的理解をめざす。対人援助者としての基本的な心構え、関わり方を身につけることをねらいとする。また、ケースの見立てやカウンセリングプロセスの考察ができるような枠組みを身に付けることも目的とする。





臨床心理査定演習Ⅰ
<布柴 靖枝>

真にクライエントのためになる臨床心理査定とは?という問題意識を持ちつつ、クライエントが生きる内的・外的世界を理解し、全人的に「見立てる」ことの意味や方法について学ぶ。特に本講座では、バウムテスト、HTPPテスト、風景構成法などの描画法を中心に演習を通して学ぶ機会とする。





臨床心理査定演習Ⅱ
<浅野 正>

本講では、心理検査を中心とした心理査定の方法を学習する。特に投映法、中でもロールシャッハテストを重視するが、それ以外の投映法検査(SCTや描画など)や知能検査(WISC-Ⅳ)も取り上げる。ロールシャッハテストについては、片口法と包括システム(エクスナー法)の両方を学ぶ。心理検査を通して、精神病理や病態水準を理解する方法も習得する。





臨床心理基礎実習
<田中 志帆、名尾 典子、三浦 文子>

前半では、アイビイのマイクロ・カウンセリングのビデオの視聴・解説・ロールプレイを通して、臨床心理面接の基礎的技法を体験的に習得する。中間では、面接のプロセス(インテーク面接、面接初期・中期の問題、終結)、記録のとり方、事例報告の形式、倫理を学習する。後半では、本格的な面接に移行する際の中間的な面接訓練法として、試行カウンセリングを行い、事例検討会を通して、事例の見立てやケース・マネジメントについて体験的に習得する。





臨床心理実習
<布柴 靖枝、池田 暁史、小林 孝雄、三浦 文子、工藤 宏子、東畑 開人、吉川 延代、穴井 己理子、小原 千郷、松平 友見、小柴 孝子>

内部実習は大学院付属臨床相談研究所において、実際のクライエントのインテーク面接、カウンセリング、遊戯療法などを行う。
外部実習は、学外施設(医療、教育、福祉等)において90時間以上の実習を行う。
内部、外部ともに個人や少人数での通年のスーパーヴイジョンを受ける。
また、金曜日5時間目は毎週カンファレンスで、事例検討を行う。





心理学研究法特論
<岡田 斉>

心理学研究を行うに当たって必要な方法論の再確認とより深い理解がこの授業の目的である。心理学者が陥りやすいとされる盲点について講じることから出発し、最近話題となっている心理学研究法などを幅広く話題として取り上げ検討・討論する。





臨床心理学研究法演習
<高尾 浩幸>

臨床心理学研究において近年採用されることが多くなってきた質的研究法について、その基本的考え方と技法を理解する。質的研究法のうち特に、グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)を取り上げる。実際にデータ分析に取り組み、分析手順を理解する。また、データ収集法として、半構造化面接の方法を取りあげる。半構造化面接にも、方法としての考え方と技法がある。分析に必要なデータを収集するには、訓練(練習)が必要である。面接および言語データ分析の訓練は、心理臨床実践に寄与する部分が大きいので、研究と臨床の橋渡しについても検討する。





人格心理学特論
<田中 志帆>

本講議では、①精神分析理論をベースにした人格理解、アセスメントを行うことができるような知識の習得を目指す。②分離体験をする幼児観察のVTRから、対象関係論的視点で、人格の成り立ちや子どもの心の変容を理解する。③心理検査からその人となりを理解する。④パトグラフィー(病跡学)を試みる、といった内容によって臨床心理実践におけるパーソナリティ理解の力を高めることを目指す。





発達心理学特論
<谷口 清>

発達は世代の継承を果たすための個体のプロセスである。発達心理学は心の発達(精神機能形成)のプロセス、メカニズムを明らかにする科学である。この授業ではJ.ボウルビィ「母子関係の理論Ⅰ 愛着行動」等をテキストとし、その輪読を通して発達現象の問題、理論、方法に総合的にアプローチする。発達に関与する要因の洞察をふまえて、対人関係における不適応発生に適切に対応しうる能力を形成し、その発生予防の視点を学ぶ。





イメージ心理学特論
<岡田 斉>

イメージは認知、発達、臨床など臨床心理学に関わる主要な領域において欠くことのできない心的な現象である。この授業ではイメージに関する心理学的研究の流れと研究方法を知ることを主たる目的とし、さらに、その応用としての心理療法や心理テストなどを視野に入れて文献により理解をふかめていくことを目指す。





社会心理学特論
<吉田 悟>

2012年の世界精神保健デーにおいて、うつ病は最重要課題として取り上げられました。うつ病は2004年の世界疾病負担で第3位ですが、2030年には第1位になると予測されています。このことは、世界中の国々において、うつ病を含む感情問題が、精神保健領域のみならず、健康領域全般における最重要問題となりつつあることを意味します。そして、感情問題の予防と治療には、従来から、うつ病を含む感情問題全般にエビデンスがある認知行動療法の活用が重要と考えられてきました。そこで、本授業では、感情問題の予防について、特に認知行動療法に基づく心理教育に焦点をあてて論じます。




家族心理学特論

2017年度非開講




人間関係と法
<花本 広志>

法は社会で生じた紛争を解決する規範(ルール)である。また、人々の行動の指針となることもある。その意味で、法は人間関係を反映しているといってよい。この授業では、契約関係と法、夫婦関係と法、親子関係と法、高齢者と法、裁判員裁判などの法的紛争事例について検討することを通じて、法が人間関係をどのようなものと捉え、どのようなものとしてそれを実現しようとしているのか、人間関係という視点から、「法とは何か」について、受講者と一緒に考えてみたい。





犯罪心理学特論
<石橋 昭良>

犯罪心理学領域における非行臨床を取り上げる。非行臨床は、非行少年の更生を目的とした心理臨床的援助であり臨床心理学のほか発達、教育、精神医学など人間科学の諸領域の方法を用いて実践されている。
非行臨床におけるケースへの援助は、緊急の介入、ケースワークの視点、チーム対応など他の臨床領域とは異なった視点や対応が求められる。
本授業では、非行をとらえる視点や援助活動における基本的枠組みを習得し、非行事例の心理アセスメントと継続的な援助のあり方について理解を深める。





異常心理学特論
<高尾 浩幸>

心理臨床において、重要な柱の一つである異常心理について検討を加える。具体的な事例を取り上げ、発達論的、家族論的、生理論的、疾病論的、人格論的、力動論的、社会論的、文化論的な観点から、多角的に考察を加えることで、臨床的な洞察力の向上を目指したい。





精神医学特論
<池田 暁史>

この授業では、特に医療現場で心理専門職として働くことを考えている人たちに最低限知っておいて欲しい精神医学の知識を習得することを目指す。医師や患者を相手に働くということは、それなりの医学的知識が必要になるということを意味する。この授業では、精神医学の歴史、診断学、症状学、治療学といった総論から、気分障害や総合失調症など代表的な精神疾患の各論まで、誰からも後ろ指をさされなくてすむレベルの精神医学的知識を系統的に学習する。





神経心理学特論
<谷口 清>

神経心理学は大脳損傷に基づく言語、行為、認知などいわゆる高次神経機能の障害を対象とする。現在では脳損傷患者を対象とする臨床神経心理学のほか、正常被験者を対象とする実験神経心理学が発展し、脳と行動、脳と心の関係理解を図る神経諸科学の主要領域となっている。本講ではテキスト「脳科学の進歩」を通して脳と心の関係を考究する。





遊戯療法特論
<伊藤 研一>

遊戯療法の基本的な考え方、ケースの読み方について、事例をもとにして検討する。子どものケースは成人のケースに比べて、問題があらわれるまでの歴史が短いので、そのストーリ(土居)を読むことが難しくないことが多い。この点で教育的価値が高い。後半では参加者に事例を提出してもらい、それらを検討する。





精神分析特論
<高尾 浩幸>

精神分析とは、人間の心を、意識だけでなく無意識の世界を含むものとして探求する学問である。その対象領域は、異常心理に限定されることなく、日常的な人間経験を含んでいる。つまり、日常性と異常性を連続したものとして捉えるところに精神分析の特徴がある。このことから、精神分析を学ぶ過程において、自分自身の日常体験と分析概念を照らし合わせる経験が得られやすい。そこで、分析的なテキストを読み解くことによって、「自分の体験」と「学術用語」をつなぐ経験を実感し、人間経験に即した心理臨床の理解を深めたい。





産業カウンセリング特論
<幸田 達郎>

産業カウンセリングをとり巻く環境や、産業カウンセリング特有の問題を考えます。産業場面で発生する心理的問題の前提となる企業の論理を検討するとともに、キャリアと能力開発といった問題についても考えていきます。
前半で問題が発生する背景についてビデオ等の実例をもとに考え、後半ではケース・スタディ形式で自分なりの回答を考え、ディスカッションを行ないます。





家族療法特論
<布柴 靖枝>

家族療法の基礎理論となる家族システム理論、および家族療法各学派の理論を学び、家族の構造、機能、発達面のアセスメントをして家族全体を支援する家族療法の実際について学ぶ。ロールプレイなどの実習も多く取り入れ、理論と実践を統合的に習得することを目的とずる





認知行動療法特論
<今野 義孝>

行動療法の歴史は、学習理論を忠実に適用して行動変容を目指した第一世代から、認知過程を重視して認知・感情・行動の変容を目指した第二世代を経て、現在は「囚われから自己を解放するマインドフルネスの態度」を中心とする第三世代に入っている。こうした経過は、人間を過去-現在-未来というパースペクティブや全人的な観点からの捉え直すことによってもたらされたものである。この講義では、こうした歴史的な経緯を踏まえて、認知行動療法の今を捉え、さらにそこから未来の認知行動療法を想像・創造していきたい。





臨床心理地域援助特論
<谷島 弘仁>

臨床心理地域援助は、臨床心理査定、臨床心理面接と並ぶ臨床心理的対人援助の三本柱の1つである。しかし、臨床心理地域援助は、研究および実践面で最近になって重要性が認識されてきたのであり、方法論が確立しているとは言い難い。そのため、本授業では、臨床心理地域援助を実践するうえで重要な概念である予防、危機介入、コンサルテーション、地域のエンパワーメント等の内容について講義をするとともに、授業担当者のスクールカウンセラーの経験に基づき、主として学校領域での臨床心理地域援助の実際について紹介する。





心理療法特論
<名尾 典子>

本授業では、子どもの心理療法および親面接についての理論を学び、実践に役立つ技法を身につけることを目的とする。子どもの心理療法として代表的な遊戯療法や関連する心理療法(箱庭療法・芸術療法他)や親面接の理論と技法をロールプレイや体験学習、事例の検討などを通して体得する。そのため、受講者には、子どもや子育てを巡る社会問題等についても自主的に学び考える姿勢を持つとともに授業には積極的に参加する態度が求められる。

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