Study 学びのモデル
カリキュラム
- 必修
- オムニバス形式(全15回)
担当者
海津、佐々木、小島、清水、菅原、杉浦、孫、種村、利根川、久保庭、黛、八木、山田、渡邉(暁)、渡邊(三)
内容
21世紀に入ってから国際社会は、ヒト、モノ、情報、資金などの流れが速くなり、大きな構造変化を生じている。また、中国などの新興勢力の勃興は、国際政治の力関係を大きく変えることにつながり、流動化と混迷が深まっている。本授業は、このような国際環境の変化が「国際社会」「市民社会」「国際協力」「国際観光」の分野でどのような構造変化が表れてきているかを考える。
(オムニバス形式 全15回)
- 必修
担当者
佐々木 優
内容
現在の国際関係を特に貧困と格差の問題から考える。19世紀以降、全世界的には経済が発展するなかなぜ絶対的貧困層と言われる人々が取り残されてきたのか、その原因を分析するとともに、戦後行われていた「援助」というスキームが有効かどうかを考える。オムニバス形式により、各講師が前半と後半でわかれて授業を行う。
(オムニバス形式 全15回)
- 選択
担当者
山田 修嗣 ・ 中井 治郎
内容
現代社会を検討する際には、「市民」の概念化とその多様性、ならびに、「市民」の行動の領域・内容・意義が(再)検討されなければならない。授業はこの目的のために、「市民社会」と「ガバナンス」というキーワードを検討の軸に設定する。オムニバス形式の開講とし、担当者が各回、専門の分析視点を提示した後、受講者どうしの話し合いにより検討を進める。とくに、「市民」の一部に含まれるはずの「私」の観点を相互にぶつけ合い、現実的な解を求めることを到達目標とする。
(オムニバス形式 全15回)
- 選択
担当者
孫 美幸
内容
日本社会の中で、外国にルーツをもった人々と関わる機会が増えてきている。この授業では、多様な在日外国人の背景を理解し、自らが暮らす日本社会や教育現場の課題を考える。そして、彼らと共に生きていくために自分自身に何ができるかについて具体的に考えていく。学生たちにはこの授業を通して、在日外国人の抱える多様な課題の歴史的背景を説明できるだけではなく、どのように解決していけるか、自らの考えを述べることができるようになってほしい。また、在日外国人についての理解を促す、さまざまな教育実践の理念と内容について説明できるようになることをねらいとする。
- 選択
担当者
杉浦 功一
内容
国際協力は、政府や国際機構、NGO/NPO、企業など様々アクターによって、様々な分野で行われている。本講義は国際協力を、特にNGOに注目しながら説明する。 本講義では、まず、SDGsへの取り組みを中心に国際協力とは何かについて説明する。 次に、国際協力で活躍するアクターとはどのようなものかを説明する。その上で、開発、人権、環境、医療など各分野での国際協力を、国際NGOに注目しながら説明し、その課題を考えてもらう。それによって、政府や国際機構、NGO、企業によって行われている国際協力の全般的な現状を理解するとともに、そこでのNGOの役割を把握し課題を考えることができるようになることを目的とする。
- 選択
- オムニバス形式(全15回)
担当者
海津 ゆりえ、中井 治郎、山田 修嗣
内容
地域計画が対象とする人々の生活環境は、空間そのものや施設や交通などのいわゆるハード(構造物)と、サービスや産業などの諸活動や交流、教育などのソフトとが動的に作用しあうことによって作り出され、時代とともに変わりゆく。本授業は今日の地域づくりにおける計画設計の思想と技術を習得することを目的とする。オムニバス形式による開講とし、各講師が専門とする分野に基づく複数の分野を題材とした講義を行う。本講義の一部は、茅ヶ崎市等の自治体との協働により行う。
(オムニバス形式 全15回)
- 選択
担当者
清水 麻帆
内容
グローバル化時代において、観光産業は世界の経済成長の原動力の1つとして、社会や経済と深く関連づいており、観光振興による効果が期待されている。一方で、地域問題として、オーバーツーリズムのような量的問題だけではなく、地域文化の変容及び継承などの質的問題にも直面している。さらに、メディアの飛躍的な発展は状況を複雑化させる。果たして、私たちの社会はどのように国際ツーリズムと共存できるのか。こうした諸問題に関する討議を通じて、地域や都市における維持可能な国際ツーリズムのあり方に対する考え方を身につけ、自身の意見(主張)を持てるようになることを目指す。
- 選択
担当者
佐々木 優
内容
20世紀以降、経済活動がグローバルに展開され、ヒト・モノ・カネ・情報の国境を超えた移動の規模が膨大になった。その結果、先進諸国や新興国はもとより、開発途上国も経済発展という恩恵を享受してきた。しかし開発途上国では、未だに経済格差や貧困、飢餓、環境破壊、教育、ジェンダーなど、様々な問題を抱えており、多くの人々が貧困状態に陥っているのも事実である。そして、これら問題を改善する開発政策やドナーによる支援もまた、グローバル化に伴う問題の複雑さから、支援の内容が多様化・複雑化している。そこで本授業では、「途上国開発に見られる問題の全体像」をキーワードに、開発途上国が抱える問題と途上国開発の意義について、専門書の講読(文献輪読)やドキュメンタリー映像を通じて理解を深める。さらに、参加者とのディスカッションを通じて、途上国開発およびドナーによる支援の今日的課題を考察する。
- 選択
担当者
渡邉 暁子
内容
開発人類学とは、社会開発に関わる現象に文化人類学の立場からアプローチし、適切な実践に向けて実際の援助プログラムや開発方法に文化人類学の知見を応用する学問である。本授業では、国際開発/国際協力を理想論として語るのではなく、現場社会に暮らす人々の目線に立って理解することを目指す。具体的には、第二次世界大戦後、開発プロジェクトの舞台となってきた途上国の事例を検討することで、開発プロジェクトを多面的に捉え、プロジェクトの現場に暮らす人々の文化や生き方についての理解を深める。授業の前半(第1回~ 9回)では、講義とディスカッションを行い、後半(第10回~14回)では前半の学びを基にプロジェクトの企画書を作成する
- 選択
担当者
杉浦 功一
内容
グローバル化が進むにつれて、紛争や地球環境問題など、一つの国家では解決し得ない問題が急増している。持続可能な開発目標(SDGs)に集約されるそれらの問題は広い意味で「平和」に関わるものである。そしてそれらの問題に取り組むために、現在「グローバルガバナンス」が発達しつつある。グローバルガバナンスは、国際連合など国際機構(国際機関)が中心的な役割を担いつつ、同時に、国家や国際NGO、企業が参加する問題解決のための国際的なネットワークのことである。本講義は、そのような国際機構をはじめとした多様なアクターから構成されるグローバルガバナンスの基本的な理解を得ることを目的とする。
- 選択
担当者
黛 陽子
内容
情報社会で生きる私たちの世界に情報は無限に近く存在するが、それを全て理解して利用はできず、整理されることで利用が可能になる。つまり情報の共通性を見つけ、その特徴同士をまとめたり、重要度の高低で分類したりと、情報を必要とする人の目的達成がされる様にわかりやすく分けて提示する必要がある。この問題解決の過程を情報の「デザイン」と呼ぶ。本講義では、学びの方向性が受講生に理解できるように教員がわかりやすく事例を見せながら解説を加え、「インフォグラフィクス」の基礎を学び、受講生各自の制作も行う。論文作成 のための図表表現方法や情報提供業務の基本的な知識を身に付けることも意図している。
- 選択
担当者
菅原 周一
内容
世界同時金融危機から、人々は多くの教訓を得て、金融危機、経済危機の再発防止策や再発時の対処方法が検討され、実践されている。一方で、富の格差から生じる現在の資本主義に関する問題点が指摘されるなど、解決されるべき課題も数多く残されている。本授業では、これらの現状を踏まえ、金融危機を多面的に捉えるとともに、富や教育の格差が新たな格差を生む現状をファイナンスの立場から整理、検討する。
- 選択
担当者
久保庭 慧
内容
国際学研究科で研究する皆さんは、各自様々な切り口や方法で自らの研究を展開しようとしていると思いますが、そうした自らの研究を、様々な文化、アイデンティティ、価値観を有する諸国から成る国際社会で展開されている議論の中に位置付けることで、ともすると蛸壺化してしまいがちな自らの視点を相対化し、より普遍性のあるものに近づけていくことができるのではないかと思います。この授業では、担当教員の専門である国際法の視座と方法を基軸にしつつ、国連をはじめとする国際的な政策形成の場における議論を対象とした諸文献を検討し、それらを的確に要約・批判して口頭で説明したり、論理的な文章として表現する能力獲得のお手伝いをしたいと思います。
- 選択
担当者
渡邊 三津子
内容
現実世界における「地域」とは、多様な自然環境、言語、宗教、生業、政治、経済といった様々な「等質地域」が幾重にも重層して作り出された空間である。さらに、同じ空間であっても、個人ごと、集団ごとにその空間に向けるまなざしは異なる。地域をあつかう際には、そこに内包される等質地域の重畳性、その空間に向けられるまなざしの違いにも着目しながら分析を行う必要がある。この授業では、場所や空間に対するまなざしに関する文献購読や、地図・古地図や空中写真、景観写真などを利用して景観分析といった作業をとおして、マルチスケールな視点から地域を読み解くための手法を実践的に習得することを目指す。
- 選択
担当者
上谷 香陽
内容
この授業では、性別に関わる様々な現象を社会のあり方と関連づけて考えるためのものの見方である、gender の視点を学びます。gender の視点とは、性別に関わる諸現象を近代社会という社会のあり方との関係で考える、社会学の方法です。性別に関わることがらは、通常、社会や歴史や文化の影響を受けない自然なこととして捉えられています。授業では、性別のこのような捉え方自体が、近代社会における一つの「ものの見方(sexism =性別主義)であることを説明します。その上で、男女二分法的性別観と、国民国家、産業社会、近代家族という近代社会を構成する他の要素との連動を考察します。そのことを通して、私たちが日々の生活で性別に関して無自覚的に「あたりまえ」に思っていることの多くが、近代社会のものの見方の影響を受けていることを具体的に明らかにしていきます。
- 選択
担当者
利根川 由奈
内容
この授業では、地域文化をマネジメントする過程や評価方法について、美術館建設や芸術展などのアートプロジェクト、学校とアーティストとの協働やパブリック・アートの事例から考えていきます。その中で、現代美術におけるトピックもフォローしながら、美術が地域の文化形成にどのような役割を果たしているのか、また地域に文化を根付かせる際の問題は何か、など、多角的な視点から地域文化について考えを深めていきます。
- 選択
担当者
八木 良太
内容
ソーシャルビジネスとは、貧困、差別、飢餓、環境、教育不足などの社会問題を根絶するための利他的なビジネスである。昨今、ビジネスを通じて社会課題の解決に取り組む、すなわちソーシャルビジネスを実践するソーシャルアントレプレナー(社会起業家)が増えている。本講義では、ソーシャルビジネスの提唱者であるムハマド・ユヌスの思想を学びつつ、国内外のソーシャルビジネスの実践事例を概観する。また、ソーシャルビジネスと近似するCSR、CSV などの経営学的概念も取り上げ、企業と社会の関係について考察する。授業前半は教科書およびソーシャルビジネス、CSR、CSV に関する論文の講読を中心に、授業後半は受講生がソーシャルビジネスのケース作成(事例研究)を行う。
- 選択
担当者
山田 修嗣
内容
環境政策はどのような社会的意味を持つかについて、受講者と考える。環境政策の現場に足を踏み入れ、実習を通じて理解することも含む。扱う内容は、1970年代以降の日本と欧米の環境政策である。まず、政策とは何か、環境とは何か(環境はどのように定義されてきたか)を把握する。加えて、ローカル・リージョナル・グローバルな領域での政策の展開をとらえ、改善対象としての環境(環境がどのように扱われてきたか)を確認する。また、演習という性格上、受講者の実践も不可欠である。そのため、主として自治体レベルでの実習を組み入れる。実習により、政策を企画・実施する現場の視点を得て、いっそうの理解を深める。
- 選択
担当者
海津 ゆりえ
内容
持続可能な発展=サステナブル・ディベロップメントは21世紀に至る世界が獲得した新たな成長と発展のモデルである。本授業は、サステナビリティの概念と政策や各種産業における取組、および限界について議論し、持続可能な開発の今後の在り方について考える。またツーリズム産業は、個人の旅行を支えるのみならず、広範な産業連関の上に成り立つ裾野の広い産業である一方で、環境や地域社会等に直接的な影響を及ぼすことから「サステナブル・ツーリズム」の概念は避けて通ることができない。講義の後半ではツーリズム産業に焦点を当てる。
- 選択
担当者
小島 克巳
内容
交通事業では伝統的に料金や参入の面で公的規制が課されてきたが、市場環境の変化に伴い1980年代から欧米を皮切りに規制緩和が進められてきた。そのため、航空などの国際交通における人流や物流を理解するためには、各国の交通政策やそれらの背景を理解することは欠かせない。そこでこの授業では、航空をはじめとする各国の国際交通政策を概観するとともに、交通自由化時代における国際交通のあり方、国際空港などの交通インフラの整備・運営方法といったテーマについて考えていく。
- 選択
担当者
清水 麻帆
内容
なぜ人は旅をするのだろうか。どのような人たちがどのような場所を訪れているのか、なぜ何度も同じ場所を訪れるのか。これらを学術的に説明するのが観光行動論である。これらの問いに対する答えは旅行者のニーズであり、こうした観光動機に影響する要因や背景などを理解しておくことは、魅力のある商品開発やマーケティング及び観光振興による地域経営などを考える際に役に立つ。そこで、授業の前半では講義形式で観光行動論に関する基礎的知識を学修し、後半では、コンテンツツーリズム(聖地巡礼)などをはじめとした様々な観光形態の観光行動を考察し、それについて議論する。
- 選択
担当者
種村 聡子
内容
サービスに関する学術的考察と接客現場での事例をもとに、対人サービスにおけるホスピタリリティとその人材マネジメントについて学ぶ。サービス現場において従業員の接客が顧客満足を左右するため、サービスの提供過程や組織としての対応を理解しなければならない。履修者は、文献でホスピタリティやサービスの知識を得たうえで、レストラン等の店舗に出向き、対人サービスが生成されている現場でサービス調査をする。調査結果を授業内で発表し、それをもとに討論する。その後、サービス産業が抱える人材不足や早期離職など、人材マネジメントの課題を検討する。人材育成の事例を参考にしながら課題解決のための人材育成計画を立案する。
- 選択
担当者
福島 規子
内容
旅行業界には店舗を構えるリアルエージェントと、店舗を持たずにweb上だけで旅行商品を販売するオンラインエージェントがある。同じ目的地に行くにしても、人は自身の価値観や習慣、ライフスタイルによって購入方法を変える。このように旅行者心理は環境や状況などによって大きく異なる。この授業では、人が旅を企画し旅に行くまでの「旅まえ」と、旅行中の「旅なか」、そして、旅行後の「旅あと」の心理変化について探索していく。なお、受講生は集中講義開始前に、「旅まえ」「旅なか」「旅あと」のそれぞれについて、旅行者はどのような心理状態にあるのかを先行研究をもとに仮説をたてレジメを作成し、授業内で発表する。その後、受講生全員で討論を行う。
- 選択
担当者
阿野 幸一
内容
本授業では、グローバル化に対応する英語教育を機能させるための英語の授業のあり方について考察する。国際社会に対応できる英語によるコミュニケーション能力を身につけるためには、どのような指導計画のもとに授業を設計することで児童・生徒の動機づけを行うことができるか、そしてどのような教授法や教材が英語力を高めるための指導に寄与するかについて検証していく。文献研究にとどまらず、優れた実践を行っている教室を訪問し、授業分析も行うことで、国際社会で求められる言語教育について理解を深めていきたい。
- 選択
担当者
渡邉 暁子
内容
本授業では、フィールド(現場)に出て社会や文化、自然現象などに触れ、観察や聞き取り調査などを行うことによって、地域の仕組みや成り立ちを学ぶ。フィールド調査を通じて、講義等で学んだ内容を体験的に理解することを目的とする。本授業では、フィールド調査の企画、フィールド調査の実施、フィールド調査のまとめの3つの段階に分かれている。フィールド調査を中心とした調査研究を、実際に一通り完結させることによって、地域調査に必要とされるスキルと心構えを習得することを目指す。
- 選択
担当者
木戸 恵子
内容
大学院において、日頃、日本語で文献を読むなどの研究活動をしている留学生であっても、母語以外の言語で修士論文を書くのは容易なことではない。本授業では、論文にふさわしい日本語表現について学ぶ。さらに、各自の実際の論文執筆状況に応じて、論文草稿の日本語表現を徹底的にチェックする。個別指導が基本となる。
- 選択
担当者
山田 修嗣
内容
本授業では調査の意義・目的について概説した後、質的・量的なデータを用いる研究方法について、参加者が集めた資料にもとづき演習を行う。参与観察や半構造化インタビューといった質的研究の代表例も扱うが、表計算ソフト等を使った量的データ分析の実習に多くの時間を割くことを予定する。分析スキルの初歩を身につけるねらいから、分布、分散、標準化、検定、相関係数、クロス表、各種グラフなどの作り方や読み方をおさえ、回帰分析ができる程度のレベルを目指す。必要に応じ、PC教室での実習とする。
- 選択
担当者
阿野 幸一
内容
大学院生各自の研究内容について、英語で口頭発表をすることができることをねらいとする。国際学会での共通語は、ほとんどの場合が英語である。それぞれの大学院生の研究成果を社会に発信するためには、効果的に伝える英語によるプレゼンテーション力が欠かすことのできない要素である。本演習では、英語によるプレゼンテーションの組み立て方、発表資料の作成方法などを学ぶとともに、その土台となる英語力の育成も同時に行う。そして、各自の研究内容を英語で伝えるために必要な語彙や表現を学びながら、実際に英語によるプレゼンテーションを行う。