教育・カリキュラムEducation

講義科目

情報学専攻修士課程授業科目の概要

経営システム特論担当者:石野 正彦

現代企業は、グローバル化と技術革新によりリスクの大きい経営環境下での事業展開を求められている。そのような環境において持続可能な経営を実践するには、経営をシステムととらえ、情報技術と通信技術を活用した高度な管理技術が必要となる。本講義では、経営をシステムの視点から、IoTシステムによるビジネスモデルや経営システムの効率化について理解する。

情報学特論担当者:松原 康夫

我々が住む世界は、単なる物質やエネルギーだけからなるのではなく、そこには様々な記号が存在し、意味が付随している。また社会の情報化に伴ってリアルな世界もバーチャルな世界と融合しつつある。この世界を生きるためには、単にICTに関するスキルを身に付けるのではなく、「情報」というものの本質を考え、自分がどういう世界に住んでいるかという世界観を情報の視点から考えることが必要である。
「情報」に関連のある様々な学問や考え方を取り上げて「情報学」のあるべき姿を考える。また、何等かのテーマを取り上げて、賛成または反対の立場からブレーンストーミングを行う予定である。

情報デザイン特論担当者:川合 康央

本演習では情報表現について学ぶ。情報表現とは、人とモノ・環境の間にある膨大な量のさまざまな情報を収集・分析し、わかりやすいカタチにデザインして受け手に的確に伝達する手段である。情報を目的や対象者に応じてどのようにデザインすればよいのかを、演習を通じて身に着け、また、情報が正しく伝達できたかを評価・測定することによって、情報表現の改善を計っていく。これらの情報表現は感性で行うのではなく、情報の構造化とその視覚化によって、さまざまなアイデアを具体的なカタチにしていくものである。これらの思考方法は、研究を進める際の問題点の整理、データの分析や結果の伝達に寄与するものである。

社会調査特論担当者:佐久間 勲

人々の意識や行動の実態を捉える方法に社会調査がある。内閣の支持率を調べる世論調査や、消費者のニーズや行動を把握するマーケティングリサーチなどは社会調査の典型例になる。本講義では、まず社会調査についての基本的な特徴について、書籍を読みながら理解を深める。続いて、社会調査のなかの質問紙調査法に焦点を当て、そこで得られる量的データの解析方法について実習を交えながら学習する。その中でさまざまな統計的手法および統計ソフトの使い方についても学習する。

質的調査特論担当者:日吉 昭彦

質的調査研究のための各種方法論を学ぶとともに、実践的なメディアの内容分析法に関する演習を通じて、質的研究の方法及び調査技術を広く身に付けます。授業では、まず社会学的方法としての質的調査に関する方法論とその展開について学び、フィールドワークを用いた調査研究の学術的な意義やエスノメソドロジーの方法への展開など、多様な調査研究の方法について理解を目指します。また、メディアの内容分析の手法を学び、実際に質的調査を行う演習を通じて、質的データの収集過程および整理、分析、報告までの総過程を体験して、調査方法と技術を実践的に身に付けます。

情報学研究演習担当者:川島 多加子

この授業では、アカデミック・ライティングの基礎的なスキルを習得します。具体的には英語と日本語の論理構成を理解し、アカデミックな内容に関して英語又は日本語でエッセイ/小論文を書くことができるように学習します。書く題材として、生活、社会、価値観、時事問題等から、テーマが与えられ、英語又は日本語で関連記事を読み、説明文、意見文を、複数回書き直し、最終稿を完成させます。また、文章を書く上で必要となる正確な文法力と豊富な語彙力を高めることにも同時に取り組みます。書くために必要な情報インプットとしてのリーディング、ディスカッションを授業に盛り込み、書くことにより考える力も鍛えます。個々の学生のニーズに合わせ指導します。

プロジェクトマネジメント特論担当者:関 哲朗

情報社会の到来は、企業や個人の欲求を大きく変化させている。この変化は、企業の諸活動に明確な目的、目標の存在を求め、また、従来とは比べようもないスピードとコスト意識をビジネスの成功要因とするに至っている。プロジェクトマネジメントは、この様な変化を受け入れた現代社会の問題解決ツールである。本講義では、モダン・プロジェクトマネジメントの基礎と適用場面を概観するとともに、プログラムマネジメントやプロジェクト・ポートフォリオマネジメントといった、プロジェクトマネジメントの周辺知識についても概観することで、21世紀社会の新しいモノづくりパラダイムのあり方について考察を深めていく。

情報システム特論担当者:阿部 秀尚

現在、身の回りで欠かせない存在となっている情報システムは、種々の業務タスクを支援するため、コンピューターシステムを中心に現場の運用や対象領域の規制に合わせ開発される。そのため、情報システム開発者は、人と情報システムのあり方について、より客観的な事実をとらえ、より良いものづくりをマネジメントしていく必要がある。そこで、本講義では、科学的なマネジメントシステムの根幹であるデータの収集について、業務タスクの分析と併せて論考する。その上で、データの分析に基づいて情報システムを開発・運用し、業務タスクをより的確に支援する方法論について、実践を踏まえた授業を行う。

情報数学特論担当者:惠羅 博

情報科学の土台として欠かせない離散数学の基礎知識と、問題解決のための数理的思考力を養うことを目的とする。離散数学は体系的な学問分野というよりも、既成の数学的手法では扱えない個別の難問に対応するための、さまざまな技法の集大成といった側面が強い。この講義でもそのような特徴を反映して、具体的な問題提起とその解決という形で進めていく。分野的には、基本的で重要な以下の事項を取り上げる。集合と関係の概念の理解(順序関係、同値関係etc.)、数え上げ技法(漸化式、母関数、置換群etc.)、グラフ理論の基礎とその簡単な応用。

社会システム特論担当者:松本 修一

近年、様々な社会システムが開発・導入され、私達の生活を支える上で重要な存在となっている。このようなシステムを構築する上で、技術革新に伴うシステム要件の変更などを考慮した設計が不可欠となってきている。本講義では、私達の生活を支える様々な社会システムの中から特に社会基盤や運輸・交通分野に関するシステムの設計・構築のための基礎や典型的な方法論、モデリングおよびデータ解析手法などについて講義を行い、その考え方および技術を習得する。

グラフィックデザイン特論担当者:藤掛 正邦

本講座は、グラフィックデザインを学ぶ。図形、タイポグラフィ、レイアウトに関する演習と理論を基本軸として、グラフィックデザインの働きの可能性について実践的に探る。グラフィックデザイン学に関する基礎から応用への橋渡しとなるような知識・制作技術の定着を目標とする。

コンテンツ評価特論担当者:岡野 雅雄

あるコンテンツが実際に受け手にどのような影響を与えているのかを捉えることは、コミュニケーション効果を改善し、新しいコンテンツの企画をサポートするために、有用である。そこで、この科目では、コンテンツ評価の方法について理解を深め、また、その効果的な応用を目指した演習を行う。具体的には、コンテンツは何を訴求しているのかという「訴求内容分析」と受け手がどのような評価・印象を抱くのかという「受容内容分析」の2つの面や、コンテンツの印象評価の測定方法などについて代表的な研究方法を概観し、さらに、さまざまな分析事例について演習形式で検討してゆく。

映像メディア特論担当者:竹林 紀雄

映像は20世紀を通して唯一かつ最大の表象メディアとして存在し続け、時代の様々な様相を映し出してきた。同時に映像による表現は様々な形態に派生した。本講義では、ドラマ、ドキュメンタリー、さらにメディアアートなどアートしての映像まで、コンテンツのジャンルにとらわれず、そしてメディアもテレビ、映画といった既存のものに限らず、映像メディア全般の可能性を探る。19世紀の映像前史から現代の映像作品までを扱うが、受講生の志向に沿い、様々なトピックス、作家、主題、技術などでテーマを設けて講義をすすめていく。

ヒューマンインタフェース特論担当者:武藤 剛

本講義では、ヒューマンインタフェース(HI)に関する最新の研究報告を題材とし、その概念や人間の特性に基づく機器やシステム、ソフトウエアの設計技法についての理解及び、最新の基盤技術を習得することを目指す。特に、コミュニケーション支援技術、脳計測、生理計測、福祉工学、身体的インタラクション技術、人工知能・機械学習、ビッグデータといったHIに関する最新のトピックを中心とした学習を輪講形式で進めることで、さまざな技術の設計論の理解を深めてゆく。

ウェブ・コンテンツ特論担当者:池辺 正典

本講義では、Webコンテンツの企画・設計・実装・運用・管理に至る各種のフェーズを取り上げ演習形式でコンテンツの制作を行う。最初に、企画フェーズでは、ユーザ層の設定や競合コンテンツの調査などをテーマとする。次に、設計フェーズでは、サイト構造の設計やUI設計、コスト算出と収益予測をテーマとする。そして、実装フェーズでは、プログラミングだけではなく、スケジュール管理やプロジェクト管理、検証作業や版管理などシステムの実装に必要となる内容をテーマとする。最後に、運用・管理フェーズでは、システム運用後のWebコンテンツの評価・改善やSEOによるユーザーの誘引についての演習を行う。

コンテンツ企画特論担当者:佐野 昌己

世界のコンテンツ市場は巨大であり、さらに将来において成長が見込まれる数少ない分野であることから、コンテンツ産業の育成を国家戦略と位置付けている国も多い。ところが、市場が巨大なことからハイリスクハイリターンな投資となる状況も起きている。そのため、コンテンツ制作においては企画段階における熟考と戦略立案が重要となるのである。そこで本講義では、映画およびアニメーションを主な対象として、企画の前段階となる、分析法を既存コンテンツの分析の実践を通して学ぶ。そのうえで、コンテンツ市場における成功を目的とした戦略企画立案について議論を行う。

3Dコンテンツ特論担当者:髙田 哲雄

DCEXPOでGlassless3Dを発表。ゲーム業界を筆頭に様々なビジネス分野においてもVRコンテンツへの期待が寄せられている。3次元コンピュータ・グラフィックスはもはやVRコンテンツの開発と制作を目指す者にとって必修の表現技術と認識されつつある。しかし現状は3DCGやVRに精通した人材は不足しており、これらの先端的表現を担えるクリエイターやエンジニアが嘱望されている。この演習では
3DCGからVRコンテンツ(HMD&Glassless 3D display)に至るワークフローを体験学習する。

経営戦略特論担当者:石塚 浩

前半は経営戦略の標準的な図書を読むかたちで進める。そのなかで企業の競争優位を説明する上で競争戦略モデルと資源依存モデルの統合が必要になることを理解してもらう。後半は企業経営の実際例を分析し、経営戦略理論を応用するなかで理解を深めていく。具体的な企業の戦略行動の基礎にあるロジックを探るなかで、企業行動の成功や失敗を考える。各事例における多様な経営上の問題とその解決策をみることで、戦略的思考力の修得を図る。経営学分野を専門としない学生にも、十分に理解できるような講義をめざす。

管理会計情報特論担当者:志村 正

管理会計情報の戦略的問題とその利用について討議することが本講義の目的である。具体的な内容としては、ABC(活動基準原価計算)による製品関連意思決定、 TDABCとABCとの比較、ABM(活動基準原価管理)およびABB(活動基準予算管理)の理論的・実践的研究、BSC(バランスト・スコアカード)の戦略的活用、原価企画をめぐる戦略的原価管理、予算と戦略、そして管理会計情報の戦略的分析である。これらを含む管理会計の論題を調査しプレゼンテーションを行ってもらう。

情報戦略特論担当者:幡鎌 博

情報戦略において、特に、eビジネスへの対応方法、企業間連携、知的財産問題を学ぶ。
eビジネスへの対応方法については、ネットとリアルのビジネスを情報システムでいかに結ぶかや、O20やオムニチャンネル・マーケティングなどの効果的なマルチチャネル販売の方法、ネットショッピングやネットマーケテイングでのコミュニティ活用手法を学ぶ。
企業間連携については、ASPを活用した中間業者/代理店の支援、SCMやeマーケットプレイス等での在庫情報の連携、Webサービスを活用した企業間での情報連携といった手法をもとに、今後の企業間連携での情報を考える。
知的財産問題については、ビジネス方法特許、ソフトウエア資産の権利問題、コモンズ化に関する問題、オープンソース活用方法やオープンソース化のメリットなどについて、具体事例に基づいて学ぶ。

財務会計情報特論担当者:石田 晴美

現在わが国の会計基準は、①日本基準、②修正国際基準(JMIS)、③米国基準、
④ピュアIFRSの4基準が併存している。何故このような状況になったのか。ここに至るまでの経緯と背景、さらに日本基準とIFRSの最も大きな差異とその影響を理解し、今後わが国が目指すべき会計の在り方を考察する。また、近年企業の公表が活発化してきた統合報告とは何かを考えながら、財務会計の役割とその限界を検討する。さらに、公表財務諸表から企業業績を読み取る力を醸成する。

モデリング特論担当者:根本 俊男

社会には取り組むべき問題が散在し、それらに主体的に取り組む問題解決型人材が社会から求められている。その問題にアプローチする際に、問題をどのように捉えて表現するかが大きな鍵となる。この問題を的確に捉え表現することを「モデリング」とよぶ。特に、数理的なモデリングは情報学に限らず科学における問題アプローチの基盤となっている。本講義では、社会で生じる様々な問題に対する標準的なモデリングの手法を解説し、モデルとして表現された問題に取り組むアイディアや解析の技術を紹介する。一般的に素朴なアイディアでは問題解決に技術的な困難を伴う場合が多く、問題構造の活用が良い問題解決につながることを会得してほしい。

ファイナンス特論担当者:鈴木 誠

ファイナンスは数理経済学やミクロ経済学と近接した分野である。ファイナンス特論では、一般的なファイナンス理論の中でも特にデリバティブズの価格決定理論にの基礎を学ぶ。数学的な記述が一般的であるので数学的なバックグラウンドが無い学生には、微分や積分の初歩から確率微分方程式の利用までしっかりしたトレーニングを行う。そのための参考図書としてはSalih N. Nefticiの「AnIntroduction to the Mathematics of Financial Derivatives」を挙げておく。

日本語アカデミック・ライティング演習担当者:野村 美穂子

大学院に進学するほどの留学生であれば当然自分の関心分野に対しては高い問題意識を持っているはずだが、どれほど優れた研究をしていても、修士論文が「読んでも文意がよくわからない」ようなものでは修士課程を無事修了することができない。母語話者でない者が独力で自然な文章表現の論文を書くことが困難なのは当たりまえのことである。この授業では、受講者各自の実際の論文執筆状況に応じて、日本語の表現を徹底的にチェックする。個別指導が基本となる。

社会調査演習担当者:山田 修嗣

本授業では調査の意義・目的について概説した後、質的・量的なデータを用いる研究方法について、参加者が集めた資料にもとづき演習を行います。参与観察や半構造化インタビューといった質的研究の代表例も扱いますが、表計算ソフト等を使った量的データ分析の実習に多くの時間を割くことを予定しています。分析スキルの初歩を身につけるねらいから、分布、分散、標準化、検定、相関係数、クロス表、各種グラフなどの作り方や読み方をおさえ、回帰分析ができる程度のレベルを目指します。必要に応じ、PC教室での実習とします。