文教大学大学には教育学部学校教育課程国語専修と文学部日本語日本文学科を母胎とした一つの学会があります。その学会の名前を文教大学国文学会といいます。
日本語日本文学科の学生は、入学と同時に文教大学国文学会の会員となり、学生中心に教員や助手の協力のもと、学会の活動をおこないます。講演会、大学院生による研究発表会、能や歌舞伎、人形浄瑠璃など伝統芸能の鑑賞教室、文学散歩、現職の国語の先生方による教育研究集会、卒業論文発表会と送別会、そして学術雑誌『文教国文』の発行など、年間を通じてたくさんの行事によって、授業の外側の学問の世界に触れます。
文学会では、春に講演会を行ってます。語学、文学、国語教育、日本語教育、書道の五つの分野からそれぞれ著名な先生をお招きして、国文学会会員のみなさんのために専門的でかつ楽しいお話をしていただいています。
たとえば東京女子大学教授の安藤信広先生に「自然と人事―中国文学の場合―」という題目で、また筑波大学名誉教授の馬淵和夫先生には「古代国語の姿」という題目でお話をしていただきました。
また、冬は大学院言語文化研究科の学生による研究発表大会が開催され、熱心な質疑が交わされています。発表終了後には芸能鑑賞会があります。これらの行事は、学生会員のみなさんに大変ためになりますので、積極的に参加してください。
学会の行事として歌舞伎の鑑賞・能の鑑賞・文楽の鑑賞と日本の伝統芸能の大きな三つを鑑賞してもらうことがあります。それでは実際に映像を見てもらいましょう。これから三種類の映像を見てもらいます。能面が二つ、それから歌舞伎、それから文楽です。映像を見ていて、どれがなんであるかということがわかれば一応あなたの知識があるということになります。
このような伝統芸能はみな約束事が多いのです。そこで、最初は解説をしてもらいながら見た方がいい、ということになります。そんなわけで鑑賞教室はそういうことに役に立つ解説付きの面白い企画になっています。
国語研究集会は毎年9月に開催されます。主な内容は、教職に就いた卒業生の方々に、国語科における表現指導、理解指導あるいは単元学習についての挑戦の経緯を報告してもらい、それについて学生会員を中心に卒業生会員も含めた活発な討議をおこないます。
討論を通して国語教育についての実践的な智恵を学びとることを第一の目的としています。卒業生会員と交流できる数少ない機会ですので学生会員の積極な参加を期待したいと思います。
国文学会では楽しくしかも親睦を深めるために毎年1回文学散歩を計画しています。
ある年には田山花袋の名作「田舎教師」の舞台を訪れました。「田舎教師」の主人公林清三は羽生からそして館林そして弥勒野という利根川のほとりを毎日学校に通っていたのですね。そこをつい最近みんなで文学散歩してきました。昔どおりの風景。そこには、林清三が今にも現れてきそうでみんな感激して帰ってきました。
このような文学散歩では、武蔵野コースとか、鎌倉あるいは江戸川べりだとか、いろいろ散歩して楽しい思い出を作ってきましたよ。教育学部国語専修の1年生は必ず毎年山梨県の甲府にある県立近代文学館を訪ねています。是非またみなさん、文学散歩に一緒に行きましょう。
毎年2月の上旬に行われている国文学会主催の卒業論文発表会は学会主催の行事の中でも大きな物の一つです。ことにこの行事は、学会員の諸君が自分の研究成果を発表するという点では最も学会らしい行事といえるのではないでしょうか。この行事は教育学部国語専修と文学部日本語日本文学科がそれぞれ分かれておこないます。各研究領域を代表する研究発表の後に質疑があり、先生がたの講評があります。
毎年毎年、大変内容のある研究発表が出てきますので、私たちも大変興味深く聞かせてもらっています。この卒業論文発表会の後には、学会主催の送別会があって、4年生をみんなで送りだすわけです。楽しいひとときを私たちとともに過ごしています。
いままでの紹介で国文学会の1年間の活動がおわかりになったことと思います。
学会は1年生から4年生までの各クラスより委員を選出し、委員と先生方とによって運営され、教育学部国語研究室・文学部日文研究室に事務局があります。卒業する4年生には学年末の2月頃に卒業生会員のしおりを配布しますので、希望する方は入会手続きを取ってください。
最後になりますが、年に4~5回、各行事の紹介をかねて国文学会便りを発行していますので、みなさんはできるだけ多くの行事に参加して、実り多い充実した学生生活を送りましょう。