文教大学を卒業し、日本語教師として活躍中の先輩が日々の様子を書いたエッセイを連載します。 日本語教師になるとどんな毎日が待っているのでしょう。海外で、国内で、大学生を、成人を、中高生を、などなど機関も対象者もさまざま。日本語教師の生活もさまざま。そんなさまざまな一面をのぞいてみましょう。
卒業生からの投稿もお待ちしております。投稿してくださる方は文教大学日本語教育準備室までご連絡ください。
初めまして!!私は現在南米はパラグアイでJICAの「日系社会青年ボランティア」として、日系の日本語学校で日本語を教えています。
昨年、ブラジルの日本人移住が100周年を迎え、日本でも大々的に報道がされたかと思います。パラグアイにも同じく日系社会が存在し、その歴史は今年で73年になります。私が現在日本語を教えているのは、その移住地にある日本語学校です。ここで言う日本語学校とは、移住地の子どもたちが日本語を勉強するために通っている学校のことです。パラグアイの学校は半日だけなので、日本語学校の生徒は午前中にパラグアイの学校に通い、午後は日本語学校に来ています。生徒は、日系人を始め、ダブル(片親がパラグアイ人)、パラグアイ人もいます。
さて、その日本語学校での私の仕事ですが、生徒に日本語を教えること、そして現地の先生方と一緒に日本語教育について一緒に勉強することです。昨年度は日本語の6年生のクラスを担当し、1年間日本語や習字、折り紙などの日本文化も教えました。子どもたちは日本の文化に興味を持ち、文化の時間を楽しみにしています。その一方で、日本語の時間はと言うと・・・・日本人の血を引く生徒の中には、家庭でスペイン語しか話さない家庭も多く、日本語勉強する意味を見出せない生徒もいます。逆に、自分の意思で入学したパラグアイ人生徒のほうが勉強を頑張っているケースもあります。「日系人には自分のルーツである日本語を、パラグアイ人には外国語として日本語を楽しく覚えてもらいたい。」そんな思いを持って、現地の日系人の先生方と一緒に活動をしています。
また、日本語の勉強だけでなく、学校にはたくさんの学校行事があります。運動会やスピーチコンテスト、子どもの日集会などです。パラグアイの学校にはこういった学校行事が少なく、これを楽しみに入学してくる生徒もいるほどです。ところで、このような学校行事に力を入れることは、日系社会の活性化にも繋がります。日本語学校のお仕事は日系社会において重要な役割を持っているのです。
他には、全国で行われる教師の勉強会の講師をしたり、他のJICAボランティアと合同で活動も行っています。
普段皆さんが勉強している「大人を対象とした日本語教育」からは若干イメージが異なると思います。日本語を教えることは同じですが、子どもに教えるというところが違ってきます。子どもたちが飽きずに楽しく勉強できる工夫を考え、それが上手くいったときは本当に嬉しいです。また、学校の中で行事やしつけ等も行っているので、学校生活を通して子どもたちの成長を見られるのもこの仕事の面白さでもあります。
こんな一味違った日本語教育に興味をもった方がいましたら、ご一報ください。
それでは、chau!!
晴れて教師となったいま思うのは、大学側の支援体制がとても良かったということですね。教員採用試験に関する過去の資料やデータはもちろん、試験や実習に向けたガイダンスも大変役に立ちました。面接や論文に関する個人指導も強い味方になってくれました。おかげで念願の教師になれたのですが、今度は私が昔思ったように、いま教えている生徒たちから「あの先生みたいになりたい」と言われたいですね。それを目標にして、大好きな学校を生涯の職場にしていきたいと思います。